2018.10.17
【学科紹介】発掘調査を行いました。(文化遺産学専攻・國下多美樹先生、木許守先生)【文学部】
文学部の学科専攻では、学内外で様々な活動を行っています。各学科専攻の活動とはどのようなものなのか、その一端を紹介するために、文学部歴史学科文化遺産学専攻の國下多美樹先生、木許 守先生が実施した内容を報告いただきました。
<京都の城跡で発掘実習>
文学部考古学実習室では、文化遺産学合同研究室(考古学研究室)と合同で、毎年8月に京都市右京区京北町にある城館遺跡・上中城跡を発掘調査しています。上中城跡は、平安時代後期〜中世の城館跡で、堀と土塁を構えた最古級の館跡として完全な姿で残っていることから市指定史跡として保存されてきました。しかし、城内部の実態はよくわかっていませんでした。そこで、2014年に測量調査、2015年から城内の継続調査をしています。今年は8/20〜30まで城東部を調査しました。台風で一時中断しましたが、学生諸君の頑張りでなんとか予定通りに終了できました。
<発見する感動と学びの場>
発掘は、地層を50cmほど掘り下げると、城の時代の地面が現れ新たに城内を区画する溝が確認できました。また、新たに縄文時代晩期〜弥生時代前期の矢尻や竪穴建物らしき溝も確認できました。みずからの手で掘り、過去の人々の活動痕跡を発見する感動の体験型学習です。
今年は、初めて地元向けの説明会を行い、地元の方々と土地の風土や歴史を楽しく語り合うことができました。実習参加者は、遺跡を扱う考古学だけでなく、文献記録や金石文、文化財保存や修復、そして活用といった本学独特の文化遺産学を学ぶ学生がいます。歴史を作り出す「もの」の多様な見方や考え方、そして社会との関係を学ぶ良い機会になったと思います。
なお、今回の出土品は、大宮キャンパス東黌考古学準備室で整理後、展示・公開する予定です。