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2018.11.07

犯罪学研究センター(CrimRC)おすすめシネマ No.3 「マイノリティ・レポート」

不朽の名作から社会問題を考えてみませんか?


「犯罪学」(英:Criminology)とは、犯罪にかかわる事項を科学的に解明し、犯罪対策に資することを目的とする学問です。龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)では、学生のみなさんが「犯罪学」にふれる第一歩として、ぜひ鑑賞して欲しい作品を紹介します。
不朽の名作から社会問題を考えてみませんか?

紹介作品:
『マイノリティ・レポート』(2002,アメリカ)

原題:Minority Report
監督:スティーヴン・スピルバーグ

「犯罪予防」への考え方の是非を問う、スティーヴン・スピルバーグ監督によるSF大作。
真の意味で、完璧な犯罪予防などあるのでしょうか?


◆あらすじ:
西暦2054年、未来のワシントンD.C.。司法省のエリート班、犯罪予防局が設置されてから殺人事件はゼロ、犯罪件数も90%減少という成果が出ていた。それは未来の光景を予知し、殺人が起こる前に未然に防ぐという最先端のシステムが成功を収めているからである。そんな中、犯罪予防局のチームのトップに立つジョン・アンダートンは、ある事件をきっかけに、このシステムに自分の情熱をすべて捧げてきた。
しかし、ある日、ジョンは“自らが見ず知らずの男を殺害する”と予知されてしまう。今や追われる身となったジョンは必死の逃亡を試みる。彼が助かる道はただ一つ。システムに隠された真実『マイノリティ・リポート“少数報告”』を暴くことであった。


◆見どころ:
この映画は近未来を舞台に描いたSF作品で、「犯罪予防」への考え方の是非を問うものでもあります。作中では犯罪の発生を予知することで未然に防ぎ、そして処罰します。つまり、現代における犯罪を処罰する原則の「結果の発生」が伴っていません。「将来的に罪を犯す」と予知された時点で、処罰対象となってしまうのです。たしかに、「犯罪予防」の観点では、『犯罪者』と『犯罪を起こすかもしれない者』を一括りにしてしまえば犯罪の件数は減少するでしょう。しかし、その果てにあるのは…。
真の意味で、完璧な犯罪予防などあるのでしょうか?高度なシステムと合理性は、時に人間の大切な部分を蝕んでしまうという事も考えさせられます。
本作品は監督スティーヴン・スピルバーグ、主演トム・クルーズの大物コンビによる近未来SFサスペンスです。驚きの展開、程よいアクションシーン、ふんだんに盛り込まれている仕掛けに、あなたもきっと本作の世界観に惹き込まれることでしょう。

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【シネマ鑑賞者のコメント】(※一部抜粋)
・犯罪発生率を0にできるとはいえ、人間をシステムで管理し、実際に犯罪に着手しない可能性の未来は対面上抹消するなど、人間を人間扱いしていない悪質な世界だった。管理社会の闇と情報社会の怖さが分かる映画だった。
・今回の映画は殺人事件が多発するアメリカ社会の展望を表す映画だと思います。検挙至上主義よりも、犯罪の予防と刑務所出所後に再犯させないことが大切だと思います。
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