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2018.12.03

株式会社大木工藝、龍谷大学理工学部の産学連携成果(2事例)「廃棄プラスチックの炭素化」「炭素を使った省エネの実現」

【本件のポイント】
・今後、より課題解決の必要性が高まると予測されるプラスチック問題への対応策
・廃棄プラスチックから、高性能な活性炭を生産する技術を開発
・炭素を応用した節電シートに改良を加え、薄型化、省エネ性能の向上とコストダウンを実現し、活性炭を加えることにより消臭分解機能を付加

【本件の概要】
 環境省が、プラスチックごみの削減戦略の素案として、使い捨てプラスチック排出量の削減やリサイクル、リユース率の数値目標について発表するなど、プラスチックのリサイクル、代替などに対し、様々な視点から期待が寄せられています。これらの対応策の1つとして、株式会社大木工藝(滋賀県大津市)と龍谷大学の産学連携の成果の1つである、廃棄プラスチックを炭化処理し、安全で、再利用可能な活性炭の製造を可能とする技術があります。
 20年以上にわたる、株式会社大木工藝と龍谷大学の産学連携の中で、廃棄プラスチックの炭素化は、当時本学理工学部教授であった竹本喜一氏の「炭化をすれば安全に合成物が天然物になる」という指導を基に始まりました。廃棄プラスチックの炭化処理は、従来のヤシガラ活性炭と同じ製法では、作ることができません。しかし、それを実現したのが今回の技術です。また、本技術で炭化処理された活性炭は、従来のヤシガラ活性炭よりも不純物が少なく、比表面積に関しては、ヤシガラ活性炭が約2,000㎡/gに対して、3,600㎡/gと高い機能を持っています。廃棄プラスチックの状態と炭化処理方法により用途は異なりますが、電気自動車用の急速充放電キャパシタ、エアコンのフィルター、融雪剤や建材などの製造に使用することも可能です。
 そして、この活性炭を、2011年に発表した本学理工学部物質化学科の青井芳史教授との研究成果である、高い冷温熱伝導効果で冷暖房の消費電力、CO2を削減する炭素99.9%で不燃・安全な節電シート「カーボンウェーブⓇ」「デコカーボⓇ」の層間に挟むことで、においの吸着効果をアップしました。また、本シート自体の改良として、熱伝導の向上(200→500Wm/k)、厚さも薄く(130→50μ)扱いやすくなり、さらに大幅なコストダウン(従来品の1/4までにコストダウン)に成功しました。


廃PET


廃PET活性炭


カーボン壁クロス(写真右)
カーボンシートブラインド(写真左)
天井には天井用カーボンクロス(写真上部)

<研究、連携に関する問い合わせ先>
龍谷エクステンションセンター
Tel 077-544-7299 E-mail rec@ad.ryukoku.ac.jp

<製品に関する問い合わせ先>
株式会社大木工藝
〒520-2114 滋賀県大津市中野3丁目4番13号
Tel 077-549-1309