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2018.12.14

日本のソーシャルワークが忘れてきた仏教の視点を再考 龍谷大学と淑徳大学による共同研究シンポジウム開催 「アジアの仏教ソーシャルワーク~日本が忘れてきたもの~」 12/22(土) 10:00~16:00 龍谷大学大宮キャンパスにて

【本件のポイント】
・ アジアの仏教ソーシャルワーク※1の実情を知ることで、日本のソーシャルワークが戦後忘れてきた仏教などの視点を再考。
・ 国連組織などに関わり、カンボジアのソーシャルワーカー協会初代理事長で、王立プノンペン大学のBora Chun(ボラ・チュン)教授、こどもの保護と権利や家庭内暴力にかかわりモンゴルのソーシャルワークの立ち上げから尽力してきたモンゴル国立大学のBatkhishing Adilbish(バットキシグ・アディルビッシュ)准教授、臨床宗教師を育て日本医師会生命倫理懇親会委員などを歴任している龍谷大学の鍋島直樹教授によるシンポジウムを開催。
・ 午前は、カンボジアとモンゴルの仏教ソーシャルワークの紹介、午後は、日本仏教社会福祉学会や淑徳大学によるこれまでの研究成果を発表する。フロアの方々とアジアにおける仏教ソーシャルワーク実践から日本のソーシャルワークが忘れてきたものを見つけ出すことがねらい。

 龍谷大学国際社会文化研究所※2は、淑徳大学アジア国際社会福祉研究所※3と共同で、国際シンポジウム「アジアの仏教ソーシャルワーク~日本が忘れてきたもの~」を、12月22日(土)に開催します。
 日本では、戦後、アメリカやイギリスなどの影響を受けたことにより、養成機関・大学におけるソーシャルワーク教育についても、西洋を中心に検討されてきたもの(キリスト教の思想等)が取り入れられてきました。西洋のソーシャルワークは、「科学的」とされる一方で「技術主義」とも批判され、西洋以外の地域の歴史、文化、風土を考慮しないものでした。そのため、例えば、日本で仏教伝来以降、脈々と続いてきた仏教を基にした福祉支援等はソーシャルワークとはみなされてきませんでした。
 しかし、近年では、ソーシャルワークのグローバル定義という新方向が示され、これまでの西洋中心の定義より「地域性」が重視されています。こうした中、日本仏教社会福祉学会や淑徳大学(文部科学省 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業)では、西洋型のソーシャルワークとは異なるアジアの文化や伝統に根差したソーシャルワークの在り方について、その可能性を仏教に求めて検討を進めています。
 これらの議論は関東(東京)を中心になされているので、関西でも議論を深めてみようと、今回、龍谷大学と淑徳大学との共催で、本シンポジウムを開催する運びとなりました。シンポジウムでは、カンボジアのHIV/AID予防など保健衛生に携わるBora Chun教授、モンゴルで家庭内暴力やプログラム評価に取り組むBatkhishing Adilbish准教授からの事例紹介に加え、ビハーラを中心に活躍している本学の鍋島直樹教授を交えたディスカッションもおこないます。
 アジア地域の仏教福祉の実情を知ることで、戦後、西洋に感化されてきた日本の福祉が置き忘れてきた仏教の視点などを振り返る機会になればと期待しています。

1. 日   時 : 2018年12月22日(土)10:00 ~ 16:00

2. 会   場 : 龍谷大学 大宮キャンパス 東黌 3階302教室・303教室(展示)
(京都市下京区七条通大宮東入大工町125番地の1)

3.プログラム : 別紙チラシ参照

4.主    催 : 龍谷大学国際社会文化研究所・淑徳大学アジア国際社会福祉研究所

5. 協    力 : 龍谷大学人間・科学・宗教オープンリサーチセンター

6. 後    援 : 日本仏教社会福祉学会

7.参 加 費 : 無料

8.申込み方法 : 不要

9.用語・組織解説
※1 ソーシャルワーク
社会福祉の領域における援助のことであるが、「社会福祉援助技術」と訳されることもある。本来は、ソーシャル(social)という人と人とのかかわりを中心とした社会関係に、(人と社会とのかかわりを活用しながら)働きかける(work)ことを意味する。端的には社会の中で困っている人を(社会とのかかわりの中で)支援することである。

※2 龍谷大学国際社会文化研究所
1997年4月1日設立。地域、社会、福祉、国際文化、国際共生及びその他の人文社会系に関する総合的学術研究及び国際的研究交流を推進し、これらの分野における学術研究の向上に寄与することを目的として、シンポジウム・講演会等において、研究成果の発信等をおこなっている。

※3 淑徳大学アジア国際社会福祉研究所
アジアおよび世界における国際社会福祉/ソーシャルワーク研究の向上に寄与するとともに、研究成果の社会還元を目的とし2016年4月に設立。常にアジアに、そして世界に目を開き、多くのことを受発信する窓口となり、アジアひいては世界の社会福祉・ソーシャルワーク教育研究の前進に貢献すること、仏教ソーシャルワーク学術研究交流のハブとして仕えることを目指す。


問い合わせ先 :龍谷大学 国際社会文化研究所事務室  Tel  TEL (077) 543-7742
E-mai l :setaken@ad.ryukoku.ac.jp (土日は閉室)


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別紙チラシ