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2019.02.18

沙漠の桃源郷「クチャ」地域の仏教文化を明らかに 国際シンポジウム 「西域桃源―大谷探検隊から見たクチャの仏教文化―」を開催2月23日(土)10:00~ 龍谷大学大宮キャンパスにて

【本件のポイント】
・クチャ地域における大谷探検隊による調査の再評価
・大谷探検隊が発掘・採集した、仏教美術、仏典写本から解き明かすクチャの仏教文化
・デジタル・アーカイブを活用したクチャ仏教文化の視覚的再現

 1639年に西本願寺に設けられた「学寮」にはじまる龍谷大学の歴史は、今年で創立380年を迎えます。2019年度には世界宗教フォーラムをはじめとする諸事業を展開し、国際的研究交流をより一層推進するとともに、現代社会に生きる人間が抱える諸問題に応える研究活動の成果を広く社会に還元することを目指しています。
 そのプレイベントとして、2019年2月23日(土)に龍谷大学大宮キャンパスにおいて、国際シンポジウム「西域桃源 大谷探検隊から見たクチャの仏教文化」を開催いたします。
 大谷探検隊は20世紀初頭、西本願寺22世宗主大谷光瑞師によって企図され、主に西本願寺の若い僧侶たちによって実施されました。大谷探検隊の主たる目的は、仏教伝来の歴史を解明することにありました。三次にわたる探検において、彼らが必ず調査したオアシス、それが「クチャ」でした。
 新疆ウイグル自治区、天山山脈南麓に沿う西域北道の中央に位置するクチャは、漢代には亀茲国(きじこく)として知られ、天山山脈の豊かな鉱物資源を背景に発展しました。大乗仏教徒にとっては、『阿弥陀経』や『妙法蓮華経』をはじめとする大乗経典を翻訳したクマーラジーヴァ(鳩摩羅什)を輩出したオアシスとして知られています。しかし大谷探検隊をはじめとする各国探検隊の調査によって、クチャで繁栄したのは、大乗仏教ではなく、説一切有部(せついっさいうぶ)と呼ばれる小乗仏教部派だったということが明らかになりました。
 クチャ・オアシス周辺には、キジル石窟、スバシ寺院址(じいんあと)をはじめとする数多くの世界遺産に登録された仏教史跡があります。大谷探検隊は世界の探検隊に先駆けて、これらの遺跡を調査し大きな成果を挙げました。今回のシンポジウムでは、これまであまり知られていなかったクチャにおける大谷探検隊の足跡を明らかにし、クチャにて発掘・収集した仏教美術、仏典写本、紙の分析に焦点をあて、クチャの仏教文化に関する最新の研究成果を提示します。



 学術講演に先立って、基調講演として宮治昭氏(龍谷大学名誉教授)にバーミヤーン石窟とキジル石窟の比較について、特別講演としてキム・ヘウォン氏(韓国国立中央博物館研究員)に韓国の大谷探検隊将来資料の最新の研究動向についてもご講演いただきます。また同じ会場の後方ブースにて、スバシ寺院趾から発掘した釈迦の遺骨を納めていたと思われる舎利容器(東京国立博物館蔵)の側面に描かれた舞楽人図のデジタル・アニメーション再現、大谷探検隊撮影写真のスライドショーをご覧いただきます。
 第一次探検隊がクチャを訪れたのは春爛漫の1903年4月でした。隊員の一人、渡邊哲信はキジル石窟を彩る杏桃の様子に感激し「漠中の桃源郷」と讃えました。桃源郷の仏教の姿とは、どのようなものであったのか、多角的に考察いたします。

【シンポジウム概要】
 1. 日   時 : 2019年2月23日(土)10:00~18:00

 2. 会   場 : 龍谷大学 大宮キャンパス 清和館3階ホール
          (京都市下京区七条通大宮東入大工町125番地の1)

 3.プログラム : 別紙のチラシ参照

 4.主    催 : 龍谷大学 世界仏教文化研究センター、
           古典籍デジタルアーカイブ研究センター

 5.参加費・定員: 無料・なし

 6.申込み方法 : 事前申込不要


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別紙チラシ

問い合わせ先 : 
 龍谷大学世界仏教文化研究センター 共同研究室 Tel  TEL (075)343-3812
 E-mail:rcwbc@ad.ryukoku.ac.jp (土日は閉室)