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2019.03.05

犯罪学研究センター(CrimRC)おすすめシネマNo.8「時計仕掛けのオレンジ」

不朽の名作から社会問題を考えてみませんか?


「犯罪学」(英:Criminology)とは、犯罪にかかわる事項を科学的に解明し、犯罪対策に資することを目的とする学問です。龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)では、学生のみなさんが「犯罪学」にふれる第一歩として、ぜひ鑑賞して欲しい作品を紹介します。
不朽の名作から社会問題を考えてみませんか?

紹介作品:
『時計仕掛けのオレンジ』
1971,アメリカ
監督:スタンリー・キューブリック

犯罪学シネマ史上最もスリルに満ちた作品。
かつて全米で衝撃を与えた犯罪学映画をあなたも味わってみませんか?


◆あらすじ:
舞台は近未来のロンドン。主人公のアレックスは、仲間たちと共に、ライバルの不良グループと喧嘩に明け暮れていた。ある日、アレックスたちは、作家の家に侵入し、強盗を行う。だが、アレックスは、仲間たちの裏切りに遭い、警察に逮捕される。その後、アレックスは、強制的に目を見開かされたまま残虐な映像を見せられる「ルドヴィコ療法」によって、一切の暴力行為に生理的拒絶反応を引き起こすようになった。“真人間”として出所したアレックスだが、彼には居場所がない。彼がさまよい続け、たどり着いたのは、かつて強盗を試みた作家の家であった。

◆見どころ:
本作品は、1962年に発表されたイギリスの作家アンソニー・バージェスの同名小説をスタンリー・キューブリック監督が映画化した作品です。タイトルである「時計じかけのオレンジ」が意味するものは何か。実は、この言葉は、元々ロンドン東部の労働者階級が使っていたスラング(俗語)なのです。「表面上はまともに見えるが、その中身はかなり変」という意味で、「Queer as a ClockworkOrange」(時計じかけのオレンジのように奇妙な~)という言い回しからきています。表面上は「ルドヴィコ療法」によって更生したアレックスですが、その実態は暴力に対して機械的に無防備な洗脳状態に過ぎないのです。
映画の一場面で、教誨師は「ルドヴィコ療法」によってアレックスの人格を変える方法に疑問を抱きます。「彼は自分で暴力をやめる決意をしたわけではないのに、これで改心したといえるのだろうか」と。どんなに凶悪な人であっても、改心させる方法が非人道的でも良いのか。罪をおかした人の立ち直りには、どのような方法がふさわしいのかも考えていただきたいです。
かつて全米に衝撃を与えた犯罪学映画。スリル満点の世界観に、きっとあなたも引き込まれます。


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【シネマ鑑賞者のコメント】(※一部抜粋)
・楽しそうに「雨を唄えば」を歌いながら残虐なことをするのでギャップがとても怖かった。自分とはかけ離れている人物が主人公の映画で、色々考えさせられました。このような機会を与えてもらえて良かったです。

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