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2019.03.26

教職員研修会を実施しました【文学部】

文学部では、人文学の学びを社会との関わりの中で深めながら、社会貢献につながる実践的な学修機会の構築に力を入れています。

文学部龍谷IP推進委員会では「地域協働と学科・専攻横断による新たな実践的学修プログラムの構築 ~人文知を活かした新たな社会活動の試み~」として、2019年度から「文学部プロジェクト実践入門演習」および「文学部プロジェクト実践発展演習Ⅰ・Ⅱ」の開講を目指しています。

今回は「プロジェクト型学修の効果を高めるリーダーシップ教育―甲南女子大学での実践例を通して―」と題し、甲南女子大学で「ビジネスリーダーシッププログラム(以下BLP)」に取り組まれている佐伯 勇先生をお招きし、学内教職員を対象にした研修会を開催しました。


研修会の様子

●誰でも発揮できる「自分らしいリーダーシップ」の育成
 現代における社会構造の変化において、一つの「リーダーシップ」のあり方として「権限によらない自分らしいリーダーシップ」の考え方があります。
 BLPは、立教大学経営学部で先駆的に取り組まれ、現在全国の大学に波及しつつある取り組みです。
「目標設定・共有」「率先垂範」「同僚支援」の3要素からなるリーダーシップの考え方には、誰か一人がチームの中心になって物事を動かすといったことではなく、チームメンバー全員が発揮すべきリーダーシップがあり、チームで目標実現に向けて取り組んでいくために、誰しもがその力を発揮できるうるものであるとされています。
 大学から社会への円滑なトランジションを実現するための一つとして、BLPが学生たちの成長実感につながるヒントとなるのではないのでしょうか。


甲南女子大学BLPの様子、授業中LAが授業を進行

●経験学習とプロジェクト型学習のPDCAサイクルを回す
 甲南女子大学でのBLPでは、プロジェクト型学習として、民間企業や地元高校から課題の提供を受け、チームによるビジネスプラン作成に取り組みます。その過程での自らの行動について自分自身や他者から「フィードバック(経験学習)」を受けて振り返ります。
「あの時の自分の行動はチームにどのように影響したのか」、「意図せず自然にとった自分の行動がチームメンバーから評価された」など、プロジェクト型学習の過程でとった行動をフィードバックという形で振り返ることで、より自分らしいリーダーシップを育てることができます。


甲南女子大学BLPの様子、授業中LAが授業を進行

●受講生の学びを支援する学習アシスタント(LA)の導入
 甲南女子大学でのBLPの特徴として、学習アシスタント(Learning Assistant)が授業内外で受講生を支え、BLPの中核を担っています。
 受講生からの質問や相談に答えるだけではなく、授業全体の進行やファシリテーションなどにも取り組み、ほぼ教員が介入せずとも授業が進行しています。LAから授業の運営上の提案を受け付けるなど自由度が高くなっており、責任感をもって「自分たちのクラス」の受講生たちを支えています。
 このLAたちの姿は受講生たちのロールモデルとしても機能しており、受講生が翌年度のLAとして活躍することにつながっています。


●BLPから文学部でのプロジェクト型学修を考える
 「自分らしいリーダーシップ」のあり方、特に「誰でも発揮できるもの」とされている考え方は、ビジネスの現場だけではなく、今後の地域社会で生きる社会人、また一人の市民として、他者と協働して物事を進めるために必要な要素なのではないでしょうか。また「フィードバック」を通して自らの行動を顧みることを通して、自らの強みを発見し、それを糧とすることも極めて重要なことです。

 文学部では「Letters Based Active Learning(人文知を基盤としたプロジェクト型学修)」を掲げ、2019年度から新たな社会実践プログラム「文学部プロジェクト実践入門演習」「文学部プロジェクト発展演習Ⅰ・Ⅱ」をスタートします。これらのプログラムの中にも受講生の学びを支える「学修支援スタッフ」を配置しており、その活躍が期待されています。

 「文学部の学びをどのように地域社会で活かすのか」、また「”文学部生らしさ”をどのように社会で発揮できるうるのか」、担当教職員や学修支援スタッフと共に文学部の新たな学びの探究・チャレンジがスタートしますので、今後も文学部・龍谷IP推進委員会の活動にご注目ください。

(文学部教育プログラム研究開発補助員 滋野 正道)