Need Help?

News

ニュース

2019.05.22

『国連「小農の権利宣言」について学ぶセミナー』を開催【経済学部】

5月17日(金)に経済学部西川芳昭教授が、「小農宣言・家族農業10年連絡会」の創設メンバーであり、日本国際開発学会と連携した「グローバル時代の食と農」翻訳プロジェクトのメンバーとしてマーク・エデルマンの『国境を越える農民運動』を監訳されたドイツ在住の舩田クラーセンさやか氏をお招きし、龍谷大学経済学会と科学研究費プロジェクト「家畜飼養と食肉習慣の変容から見るブータンにおける「食の主権」の構築」の共催セミナーを開催しました。

当日は、経済学部専攻科目「農業・資源経済学」受講生及び、原田太津男ゼミ、西川ゼミの学生を中心に約60名の学生と、落合法学部長を初めとする本学教員に加え、科学研究費プロジェクト代表者の小林舞氏(総合地球環境学研究所)ほか近畿圏の大学等の研究者、実務者約20名が参加し、本テーマと講演者に対する注目の高さが伺える講演会となりました。

参加した研究者からは、日本が「小農および農村地域に住む人々の権利宣言」に棄権しながら「家族農の10年」には積極的に関与している表面的矛盾に関する専門的質問があり、日本政府が、国内の農家を世界的な人権運動の文脈における小農とは認めていないことが確認されました。

また、学生からは、まず、アフリカにおける政治的植民地からの解放が経済的奴隷状態からの解放につながっていない状況への驚きが示されました。さらに、自分たちの生活が、気の付かないところでアフリカの小農の権利を侵害することに繋がっているのみならず、実は自分たちの生活も多国籍企業等の活動によって権利の侵害に直面している可能性があることに目を向ける必要があることについて、講演の後も長時間にわたって講師との意見交換がなされるなど学生の学びにとっても良い機会となりました。