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2019.06.10

犯罪学研究センター(CrimRC)おすすめシネマNo.10「12人の怒れる男」

不朽の名作から社会問題を考えてみませんか?


「犯罪学」(英:Criminology)とは、犯罪にかかわる事項を科学的に解明し、犯罪対策に資することを目的とする学問です。龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)では、学生のみなさんが「犯罪学」にふれる第一歩として、ぜひ鑑賞して欲しい作品を紹介します。
不朽の名作から社会問題を考えてみませんか?

紹介作品:
『12人の怒れる男』(原題:12 Angry Men)
1957,アメリカ
監督:シドニー・ルメット

「偏見は真実を曇らせる」殺人事件の審議を巡る、
陪審員達の手に汗握る法廷サスペンス。


◆あらすじ:
18歳の少年が父親殺しで起訴された。一見して有罪とわかるほど簡単な事件に思えたため、事件を審議する12人の陪審員のうち、11人の結論は有罪で一致。しかし、8番陪審員だけが有罪の根拠がいかに偏見と先入観に満ちているかを主張する。猛暑の中、エアコンの無い蒸し暑い部屋で議論する12人。審判には12人全員の一致が必要で、一致するまで部屋を出ることができない。有罪を主張する11人は8番陪審員を説得しようとするが、事件を調べれば調べるほど少年の無罪を示唆する証拠が浮かび上がって来たのだった。

◆見どころ:
アメリカやイギリスなどで採用されている陪審員制度。これは刑事訴訟や民事訴訟の審理に際して、民間から無作為で選ばれた陪審員で構成される合議体が評議によって事実認定を行う司法制度です。陪審員の人数は6~12名である場合が多く、評決は全員一致が原則。刑事事件では被告人の有罪・無罪について、民事事件では被告の責任の有無や損害賠償等について判断します。
本作品は、物語のほとんどがたった一つの部屋を中心に繰り広げられます。陪審員の名前は登場せず、それぞれ番号でお互いを呼び合います。これは、公平性を保つために、匿名性を維持したまま議論を進めるためです。しかし、陪審員は匿名であるが故に、一人の人間の命を左右するにもかかわらず、安易に結論を導こうとします。みどころは、怠惰な空気に満ちたなか、8番陪審員が唱える主張によって、他の陪審員の心境がしだいに変化していく様子。
議論を重ねた末に12人の陪審員が導き出した結論とは?熱を帯びていく審議の様子に、あなたの心もきっと揺さぶられることでしょう。

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【シネマ鑑賞者のコメント】(※一部抜粋)
・「推定無罪」という言葉を思い出しました。作中は現代ほど科学が発達しておらず、人間の記憶と証言、個人的な感情、偏見により、真実は曲がっていく。論理的思考と客観視、冷静な判断、疑問、根拠など、必要なものが多くあって、人間が人間を裁くのは難しいし、人間にしか人間は裁けないと思いました。
・裁判について興味を持つことができました。人の意見が話し合ううちに次々と変わっていくことは知らなかったので、知ることができて良かったです。
・映画面白かったです。犯罪学に興味を持てたので、とても良かったと思います。
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