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2019.06.21

Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)取締役社長の松尾真継様にご講義頂きました。

 6月20日マーケティング論(担当:藤岡章子)の特別講義として、スープストックトーキョー取締役社長の松尾真継様にご講義いただきました。
 スープストックトーキョー。名前をお聞きの方も多いと思います。全国に展開する「食べるスープの専門店」です。化学調味料に頼らず、手間隙をかけ、素材の特長を活かしたおいしいスープを提供されています。(同社HPより)

 講義は文才に溢れた創設者が、会社の未来を想像したスープストックトーキョーの企画書の話からスタートします。また、会社を一人の架空の女性に擬人化し、会社での不文律とする。それはとても分かりやすく、「その女性だったらこんなことするな。」、「こんなことはしないな。」といった視点でものごとが決まるそうです。そんなスープストックトーキョーのコンセプトも「世の中の体温をあげたい。」で、シンプルでわかりやすくしているそうです。

 それでも成長するにつれ、リーマンショックや、事業拡大に伴う混乱といった大企業病も味わいます。経営はマーケティングだけじゃない哲学だと主張する松尾社長からエピソードの1つとして、年に一度だけ販売するという七草粥のエピソードに触れられました。次回の販売に向けスタッフが会議の場で、前回の傾向等を踏まえ発注数を議論していたところ、社長が急にストップをかけます。「我々は何のために七草粥を販売しているのだと。」会議の場が“流れ作業”になっていることに松尾社長は危機感を感じたのです。さらにこう続けます。「お客様に『今年も一年元気で過ごしてくださいね。』という気持ちが世の中の体温をあげるのではないか。」そうして実際の店舗では、スタッフが手渡しする際に、その一言を添えられたそうです。その話題はSNSで拡散され、テレビに取材されるまでに。目的を見失ってものを売っている事に気付いた瞬間だったそうです。

 経営者として何がやりたいか?創業時の目的を見失わない。想いを込めてする仕事は必ず相手に伝わる。松尾社長のお話は総じてわかりやすく、常に哲学が込められていました。説得力のある講義に学生たちは、真剣なまなざしで最後まで聴講していました。