2019.07.22
犯罪学研究センター(CrimRC)おすすめシネマNo.12「破獄」
不朽の名作から社会問題を考えてみませんか?

「犯罪学」(英:Criminology)とは、犯罪にかかわる事項を科学的に解明し、犯罪対策に資することを目的とする学問です。龍谷大学 犯罪学研究センター(CrimRC)では、学生のみなさんが「犯罪学」にふれる第一歩として、ぜひ鑑賞して欲しい作品を紹介します。
不朽の名作から社会問題を考えてみませんか?
紹介作品:
『破獄』
1985,日本
脚本:山内久 | 主演: 緒方拳、津川雅彦
天才脱獄犯と監獄の看守の闘い
◆あらすじ:
昭和8年、青森。佐久間清太郎は質屋に盗みに入り、逃げる途中、店員を切り殺してしまう。2年半後、佐久間は無期懲役を言い渡され、青森刑務所に収監される。自由のない刑務所での生活、横暴な看守たち。佐久間は次第に憎悪の念を抱き始める。ある朝、看守の鈴江が佐久間の独房をのぞくと、鍵が外れている。4度という破獄(囚われの身にある者が牢獄を破って抜け出ること)を繰り返すことになる佐久間の最初の脱獄だった。
◆見どころ:
本作品の主人公、佐久間清太郎は、白鳥由栄という人物をモデルにしています。白鳥由栄は、実際に実在した昭和の天才脱獄犯です。脱獄が成功する度に刑務所内の監視体制は、厳重なものとなります。しかし、白鳥は聡明な頭脳と超人的な身体能力で、刑務所の脱獄に成功。その方法は、人間が行ったものとは信じがたいものばかりでした。
作中では、佐久間と鈴江の生涯にわたる関係が緻密に描かれています。佐久間と鈴江は青森刑務所で出会います。その後、佐久間の収容刑務所に、偶然鈴江も赴任します。どれだけ厳重な警備を施しても、佐久間は脱獄に成功します。鈴江は憤りますが、本心は佐久間の行く末を心配していました。なぜなら、鈴江は佐久間の更生を心の底から願っていたからです。月日は流れ、佐久間は4度目となる脱獄を実行。この脱獄が二人の運命を大きく変えます。
天才脱獄犯と監獄の看守の闘い。昭和の名俳優、緒方拳(佐久間清太郎)、津川雅彦(鈴江)の演技が心を揺さぶる名作。
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【シネマ鑑賞者のコメント】(※一部抜粋)
・初めて今回参加させていただきましたが、非常に面白い映画を見させていただきました。また、時間がございましたら上映会の方に参加させていただきたいと思います。本日は、誠にありがとうございました。
・この映画が何を伝えたかったのか、あまり理解できなかったのですが、久々に見入ってしまいました。脱獄犯の心情が理解できなかったです。家族に会いに脱獄していたのが、最後の脱獄では脱獄を阻止していた看守に会いに、脱獄していたのが皮肉だなと思いました。
・罪人も心を入れ替えることがあるのだと思ったし、その反対で罪を繰り返す人もいるのだということもよく分かりました。
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