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2019.09.24

文学部人権問題研修会「トランスジェンダー学生への対応について」の開催【文学部】

 2019年9月18日(水)に龍谷大学文学部人権問題研修会を開催しました。今年4月に、性的指向や性自認に関する悩みの相談窓口として、「ジェンダー・セクシュアリティ相談」が本学に試行的に開設されました。そこで、今年度の本研修会はジェンダー・セクシュアリティ相談をテーマに企画されました。本学経済学部の卒業生で、音楽家・デザイナー・ディレクター、そして、京都精華大学、甲南女子大学、阪南大学で非常勤講師として活躍されている西田彩(さや)氏を講師としてお招きし、「トランスジェンダー学生への対応について」をテーマにご報告いただきました。

 当日は文学部の教員を中心に60名の方々が参加いただきました。活発な質疑応答を含めて、考えを深めることができた充実した内容の研修となりました。今後、多様性をもった学生に対して教職員がいかに向き合っていくか、より具体的な施策に結びつけていきたいと考えています。

 西田氏による講演概要は以下のとおりです。

 近年、LGBT(性的マイノリティ)という記号とともに人間のジェンダー・セクシュアリティには多様性があるということが広く認知されるようになってきました。しかし、私達の社会は性別二元論に基づく性別規範や家族観・価値観が社会の隅々まで影響を及ぼしながら営まれてきており、その中で性別規範の辺縁に位置していたり逸脱している性的マイノリティを含む多くの人たちが自己肯定感や自尊心を育めなかったり、生きること自体に大きなストレスを抱えながら暮らしているのが現状です。
そこで、 性同一性障害の身体治療を経て男性から女性へと性別変更した当事者でもあるわたしの経験を軸に、持続的な性別違和を抱き、その解決・解消にカウンセリングや身体治療といった医療や周囲との関係性・社会的属性の再構築を必要とする性同一性障害(性別不合)やそれに準ずる当事者のことを中心にお話しします。
 当事者が置かれている社会状況を紐解き、今後は何が問題となり得るのか、大学としてどのような対応が必要となるのか、考えを深めていけたらと思います。

1)当事者として私自身の経験
2)性的マイノリティについて簡単な説明
3)現在の性別違和当事者(性同一性障害当事者)をめぐる社会の状況
・文科省による通知について
・治療を受ける環境に関して
・お茶の水女子大や奈良女子大のトランスジェンダー学生の受け入れ
4)大学に求められること



講師:西田彩先生