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2019.12.23

実践真宗学研究科特別講義「医療と仏教の協働」の開催(客員教授 田畑正久先生)【文学部】【実践真宗学研究科】

 文学部客員教授の田畑正久先生による実践真宗学研究科特別講義が、2019年12月12日、「医療と仏教の協働」をテーマに開催されました。当日は、実践真宗学研究科の院生を中心に熱のこもった講義がなされ、教室は満員となりました。
 田畑先生は、龍谷大学実践真宗学研究科で十年間教授として教鞭をとられ本年ご退職されました。医師である先生は医療の仕事をしながら仏教を学ばれました。田畑先生のご講義から、『生老病死』は仏教が2500年の歴史をもって取り組んできた課題であり、医療と仏教の課題は共通するものなのだと教えられました。
 苦はどういう原理で起こってくるかというと、私の思いと私が直面する現実の間に差があるということが、思いどおりにならないというかたちで苦となります。医療の現場でいえば、病気を治して健康にするということが、医療によって苦を救う一つの取り組みですが、それによって救われるのはよくなる病気の場合だけであります。
 仏教と医療それぞれに苦を超える世界があるというところで、仏教と医療の協力によって、患者さん一人一人の苦しみ、悩みに向き合っていくことができるはずです。しかし、今の日本の医療界では、仏教との協力関係はまだ十分にできていない現状を指摘されました。
「老病死の苦に共に取り組む医療と仏教」というかたちで、医療と仏教が力を合わせて、悩み苦しむ一人一人の患者さんを救うという世界が展開できれば良いとの思いを語られました。