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2019.12.18

【修了生の活躍】実践真宗学研究科修了生によるLIFE SONGS公演等の開催【文学部】【実践真宗学研究科】

 2019年3月に修了された奥田章吾氏の音楽を通した伝道活動について、その活躍について紹介いたします。

 私は2016年4月に実践真宗学研究科に入学しました。入学してすぐに、音楽伝道プロジェクト“LIFE SONGS(ライフソングス)”を同期の大学院生と立ち上げました。LIFE SONGSとは、“いのち”をテーマにお寺で弾き語りライブを開催し、日常ではなかなか考えることのない「いのち」を見つめ、仏様のお心を共に聞いていく「音楽伝道プロジェクト」のことです。大学院に在籍した3年間で、京都のお寺や龍谷大学の宗教空間などで、自主開催公演を9回、その他依頼公演や、イベント出演などを含めて計18公演を行いました。

 LIFE SONGSの特徴は大きく3つあります。

【LIFE SONGSの特徴】
①1つ目は、いのちに関するテーマが設定されていることです。例えば、第1回公演は「人生、最後に聞きたい曲」というテーマで公演を行いました。そこで、アーティストは大切な方と死別した思い出や、自らの死への思いを語り、そして、歌いました。このように、テーマを設定することによって、単なる音楽ライブではなく、いのちを見つめ、仏教の話を聞くことができる音楽ライブとなります。
②2つ目は、若手僧侶が実践していること。出演アーティストは僧侶以外のアーティストも出演しますが、司会は僧侶が担当しています。アーティストのライブを受けて、司会の僧侶が感想を述べます。そこで自然と仏教の話が語られるのです。また、若手僧侶がアーティストとして演奏することも多くあります。
③3つ目は、来場者の大多数が寺院関係者以外の方であることです。つまり、今までお寺や仏教にご縁のなかった方が、実際にお寺や宗教空間を訪れ、音楽を聞きながら「いのち」を考え、仏教の話を聞く機会ができたのです。
このようなLIFE SONGSの活動を続けてきました。そして、その成果は修士論文としてもまとめました(修士論文の題目は「現代における真宗伝道―視聴覚・音楽伝道を中心にー」です)。

 LIFE SONGSの活動での思い出は沢山ありますが、大きな思い出の一つにハワイ公演があります。


修了生:奥田章吾 氏

 ハワイ開教区にあるハワイ別院とモイリイリ本願寺を訪れ、実際にLIFE SONGSの公演をさせていただきました。英語は得意ではありませんが、音楽を楽しむことに言語は関係ありませんでした。メンバー(門信徒のこと)さんと肩を組みあい、仏教讃歌やカントリーロードなどの名曲を一緒に歌ったのは涙が出るほど嬉しかったです。また、開教使の先生もウクレレで演奏してくれました。LIFE SONGSは全世界で実践できます!!!
 大学院を修了した今も、LIFE SONGSの活動は続けています。今年も11月10日に築地本願寺で開催された「ごえんさんエキスポ」にもLIFE SONGSとして、ブース出展やミニライブという形で参加しました!ブースでは「活動紹介」や「物販」の他、来てくださった方に「LIFE SONGSの始め方」という紙を配りました。これは今回初めての取り組みです。


 この紙に沿いながら、説明が足りない部分は細くし、音楽伝道の始め方をレクチャーしました。音楽伝道と聞くと、「難しそう」「私にはできそうにない」と考えがちですが、やりたい気持ちさえあれば、どなたでも実践ができます。LIFE SONGSを“全国の寺院”や“世界中の僧侶”が、実践できる形として発信していく活動も行っていきます。

【その他の活動として・・・】
 また、私は2017年度の「臨床宗教師研修」課程も修了しました。1年間の研修の中で、全国各地の病院や福祉施設へ行き、実践的に学修しました。私は学部時代に受講した田畑先生の講義に心を動かされ、「僧侶ならば、臨床現場に行き、勉強しなくては!」と思い、この研修を受講することも、大学院進学の理由の一つにありました。そして、この研修で得た学びは、臨床現場だけでなく、お寺での活動や、人々と会話する日常の中でも、大きく生かされていることを、今実感しています。

 また、「布教使課程Bコース」布教使任用申請資格取得試験も受講し、「布教使任用申請資格」が授与され、2019年11月1日付で本願寺派布教使になりました。Bコースの良い所は何と言っても3年間も学べる時間があることです。真宗学の勉強はもちろん、社会的実践も3年間経験し、その経験が法話にも繋がっていきます。これはとても大きな財産です。そして、布教実習も大きな経験となりました。葛野先生や貴島先生に法話原稿の添削をしてもらい、話す練習を何度も重ね、実際に布教実習に行き、講評を受けて、また法話原稿を推敲していく。この繰り返しの作業が、実は布教使として一番大事な作業だと思います。ただ資格を授与されるだけでなく、布教使としての学び方や、僧侶としての生き方も、染み込むように修得できるのが、実践真宗学研究科の強みです。今後は本願寺派布教使として、法話の研鑽を続けると共に、音楽伝道などの新たな伝道の形も模索し、実践し続けたいと思います。