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2019.12.18

龍大農×伊那食品工業「KANTENプロジェクト」最終報告会を実施

 2019年12月18日(水)、龍谷大学農学部と伊那食品工業株式会社「KANTENプロジェクト」最終報告会を開催しました。本プロジェクトは、寒天業界のトップメーカーとして有名な伊那食品工業株式会社(長野県伊那市)の協力を得て、寒天が秘める歴史や健康機能を知り、あらゆる可能性を創造して、アイデアを考案する課外活動です。企業と連携したプロジェクトは今年度で3度目になります。(2016年度:ハウス食品、2017~2018年度:(株)ローソン)

 農学部の学生にとって、寒天は食品の加工実習や基礎的な培地を使った実験等でなじみが出てきた素材ですが、その特質や品質などは未知のなままです。そんな無限の可能性を秘めた寒天を題材に学生たちが斬新なアイデアを出し合い、新たな寒天の活用法を考えました。当日は、農学部1年生から農学研究科に所属する学生が14チーム(52名)にわかれて、約半年間かけて学んだ成果を発表しました。

 本プロジェクトは、今年5月にキックオフミーティングとして、伊那食品工業株式会社 商品開発室4グループ課長補佐 根橋怜美氏による講演会から始まりました。寒天の歴史や種類、特性についてお話いただき、参加した学生・教職員は寒天の可能性に目を輝かせていました。講演会の内容を受けて、学生たちはチームを編成し、やってみたい企画を考え、活動を開始しました。8月に実施した進捗報告会では、実験や試作の経過報告と課題、今後の方向性を発表しました。伊那食品工業株式会社から取締役開発本部長 柴克宏氏らをお招きし、アイデアに対する講評とアドバイスをいただきました。具体的な手法の助言に加え、試行錯誤しながらやってみることの重要性をお話されました。

 そして本プロジェクトの集大成として、最終報告会を実施しました。報告会はポスターセッション形式で審査員や来場者が自由にブースを見学しました。伊那食品工業株式会社から取締役開発本部長 柴克宏氏、取締役営業本部長 湯澤正芳氏ら5名と、龍谷大学から藤原直仁副学長をはじめとした4名が審査員となり、独創性や表現力、実用性、問題発見などの観点から審査しました。上位者には各賞が授与されます。今回審査員以外の来場者が1人1票投票できる「オーディエンス賞」を設け、最も良いと思ったチームを選んでいただきました。審査員や来場者は、学生ならではの視点、農学部生ならではの感性が光ったアイデアと学生らの熱の入ったプレゼンテーションに興味津々で聞き入っていました。
 アイデアは多岐にわたりました。溶けないソフトクリームや犬も食べれるクッキー、また食べ物だけではなく、育苗ポットや花生け、寒天ゲルが提案されました。これは農学部・農学研究科で「食」や「農」を学んでいるからこそ見つかる視点です。

【表彰結果】
賞名:チーム名(企画内容)

伊那食品工業株賞:カヌレ(水交換不要の花生け「華やKANTEN生け」)
学長賞:チーム塩尻(育苗ポット「KANTENそ・だ・ち」)
瀬田教学部長賞:#カンドリ(カンテンドリンク)
農学部長賞:ヴィーガンチーズ(ニュートリショナルイーストdeヴィーガンチーズ)
オーディエンス賞:寒天でスーパーボール(スーパーボール)


 伊那食品工業株式会社 柴氏によるご講評では、「アイデアはもちろんのこと、アイデアにたどり着くまでの問題意識の高さと着眼点に、製品をつくる側として学ぶことが多かった」と三唱のお言葉をいただきました。柴氏ご自身の大学時代のお話も聞き、身近に感じた学生もいたのではないでしょうか。

 学生たちはこの最終報告会を迎えるまで、アイデアを形にする難しさや大変さ、そして楽しさやわくわくする気持ちを感じたと思います。自ら考え、自ら行動し、課題解決方法を探った本プロジェクトで得たものは学生それぞれだとは思いますが、これからの活動に活かしてほしいと思います。今後も龍谷大学農学部生・農学研究科生の活躍にご期待ください。


【参加学生コメント】
・授業で寒天について学んできた為、その知識を活かして商品開発に取り組めた。
・商品開発に興味があったので、伊那食品工業様の商品開発部の方々のお話を聞けてとても勉強になった。
・ある素材の特性を生かして何を作れるか、考えるのは面白かった。
・やりとげたことに達成感を感じられたし、自由な発想で何でも作るのは大変だけど楽しかった。

【来場者コメント】
・寒天にとらわれない発想が良かった。
・いろんなアイデアがあり、寒天について知らないことばかりだった。
・各チームによって発想が異なり、様々な工夫がされていて素晴らしいと思った。










伊那食品工業賞:カヌレ(水交換不要の花生け「華やKANTEN生け」)