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2019.12.20

「雑草学Ⅰ」にて講演会を実施~農薬メーカーの仕事-除草剤の市場と開発の動向を中心に-~

2019年12月16日(月)1講時「雑草学Ⅰ」にて、三井化学アグロ(株)研究開発本部 農業化学研究所 生物評価グループ 主席研究員 江田 貞文 氏をお招きし、「農薬メーカーの仕事-除草剤の市場と開発の動向を中心に-」と題し、ご講演いただきました。
世界的な食料需要の増大に対し、農業生産を安定化させるためには農薬は欠かせないものです。わが国では戦後、水田用除草剤の導入により農家の労働時間が大幅に削減され、これは兼業化などを通じて高度経済成長の推進力にもなりました。1980年代になるとさらなる省力化のために「一発処理剤」が開発され、成分・製剤の改良を重ねつつ現在に至ります。農薬の開発プロセスではリード化合物の創製と構造の最適化の後、圃場試験、工業的製造法の開発、製剤処方の開発、安全性評価などが行われ、農薬登録を経て販売に至るまでに通算10年前後の期間を要しています。
世界の農業にとっての農薬の必要性に加え、一般消費者にはなじみのない農薬メーカーの開発業務の概要をたいへんわかりやすくご紹介いただきました。消費者の視点では警戒心が先に立ちがちですが、農学部学生として生産現場の視点をもつことの必要性も理解されたと思います。