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2020.05.25

新型コロナの影響を犯罪学の視点から考える 情報サイト「新型コロナ現象について語る 犯罪学者のフォーラム」を開設

【本件のポイント】
・新型コロナ禍でのフェイクニュースやパチンコへ興じる人びと、自殺増加への危惧、孤立の病など社会問題について、犯罪学の視点から情報発信するフォーラムをインターネット上で開設
・龍谷大学犯罪学研究センター1)に所属する、社会科学・人文科学を専門領域とする研究者が執筆

【本件の概要】
 龍谷大学犯罪学研究センターは、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の拡大によって浮き彫りとなった個人と国家の関係や、ウィズ・コロナ時代における社会の在り方について、犯罪学の視点から考えるフォーラムをWEB上でたちあげ情報発信を行っています。
 今回の新型コロナ禍で、多くの国では医療システムが崩壊し、経済は疲弊し、社会に混乱が生じています。また、各国の政府が「ウイルスとの戦い」を標榜し、緊急事態を宣言し、人びとの自由を制限しました。個人と国家の関係やわたしたちの社会の在り方自体に、大きな問いを投げかけています。日本では、科学的根拠のないフェイクニュースの拡散や、緊急事態宣言下でパチンコに興じる人びとに過敏に反応するモラル・パニックなどの社会問題が噴出しています。
 犯罪学は、あらゆる社会現象を研究の対象とし、科学の目で社会現象を観察・分析します。本企画を通じて、新型コロナ禍で起きたあらゆる事象を、犯罪学の伝統理論や統計の観点から説明してきました。
 本情報サイトにおける、最新のトピックである、『新型コロナの抗体調査に関する緊急提言』(2020/5/18公開・石塚伸一教授 寄稿)のコラムでは、近く東京・大阪・宮城で行われる1万例を対象にした抗体検査について、犯罪学の視点から5つの提案を行いました。対象者の選び方など、厚労省の研究デザインが明らかになっていない中で、大阪府が発表した調査・実施方法には問題があるのではないかと、社会を対象とする調査の計画と実施において、最低限守るべきルールに言及しています。
(提言記事URL: https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-5578.html
 京都府においても新型コロナの収束に向けて、新しい生活様式への試みがはじまりました。今後、ウィズ・コロナ時代の共生社会の実現に向けて、より学際的な知見の共有、さまざまな生活課題を抱える人びとへの支援者ネットワークの呼びかけなど、情報発信を推進していきます。

1.概要:
(1)名称: 新型コロナ現象について語る犯罪学者のフォーラム
(2)特集URL: https://www.ryukoku.ac.jp/news/detail/en5589/
(3)現在までの掲載内容:


2.犯罪学研究センター長プロフィール: 石塚 伸一 教授(本学法学部)


 1954年東京都生まれ。中央大大学院博士課程退学後、九州大で博士(法学)取得。北九州市立大教授を経て98年から龍谷大教授。
 現在、犯罪学研究センター長を務めるほか、物質依存、暴力依存からの回復を望む人がゆるやかに繋がるネットワーク”えんたく”(課題共有型円卓会議)の普及をめざすATA-net(アディクション・トランスアドヴォカシー・ネットワーク)のプロジェクト・リーダーを務める。弁護士。日本犯罪社会学会会長。アジア犯罪学会理事。

3. 用語解説
1)龍谷大学 犯罪学研究センター
「犯罪学」(英:Criminology)とは、犯罪にかかわる事項を科学的に解明し、犯罪対策に資することを目的とする学問です。実証的な犯罪学研究は19世紀後半のヨーロッパで始まり、現在、欧米諸国の総合大学では「犯罪学部」として学問・研究分野が確立されており、多様な社会ニーズに応える人材を多く輩出しています。2016年6月に発足した龍谷大学 犯罪学研究センターは、建学の精神を具現化する事業として、犯罪予防と対人支援を基軸とする本学ならではの「龍谷・犯罪学」の創生に向けた研究と社会実装活動を展開しています。


問い合わせ先 : 
 龍谷大学 犯罪学研究センター  [Tel]075-645-2184 [Fax]075-645-2240
 [E-mail] crimrc2016@ad.ryukoku.ac.jp [URL] https://crimrc.ryukoku.ac.jp/