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2020.06.23

中央学区の自治連合会会長・安孫子邦夫氏を招いて【社会共生実習】

 6月12日に、社会学部の科目「社会共生実習(地域エンパワねっと)」
(担当教員:社会学科 脇田健一、コミュニティマネジメント学科 築地達郎)にて、オンライン授業が開講されました。

 今回は、滋賀県大津市中央学区の自治連合会会長・安孫子邦夫氏をオンライン授業にお招きして、受講生が事前に用意した質問に対して、とても丁寧に時にはユーモアも交えながらお答えいただきました。


授業の様子

 本プロジェクトのフィールドは、急激に住宅化が進んだ大津市瀬田東学区と、歴史ある文化財や町並み、町家が沢山残る大津市中央地区です。それぞれの地域の持つ魅力や課題の違いを意識した受講生の質問に対して、ご回答いただいた内容の一部をご紹介いたします。

Q,中央地区の魅力は?
「コンパクトで歴史と都市的な機能を兼ね備えているおもしろい街である。利便性がよく、徒歩圏内で通院できる開業医が多く、近くに3つの大きな救急指定病院もあり、医療環境がとても整っているのも暮らしやすいところ。自治会も大小50ほどあり、地域のコミュニケーションが丁寧に取れている。」

Q,中央地区の町家や老舗店舗の保存についての取り組みは?
「市民団体で無人になった町家の活用についての斡旋活動をしているが、賃貸にすることに抵抗を持つ住民もいて、思うようにはかどらず、難しさを感じている。」

Q,高齢化の問題に対しては?
「実は高齢者増加率は他の地域と比べ平均より低いが、高齢者の数は確実に増えている。特に注目すべきは家の外に出る機会が少ない高齢男性。昨年地域エンパワねっとで学生と一緒に取り組んだ「居酒屋クラブ」は高齢男性を家の中から外の世界へ誘い出し、一緒に料理を作りお酒を飲むといったコミュニケーションを図るもので、高齢者が地域社会と接点を持てるような取り組みに励んでいる。」

Q,私たちエンパワねっと13期生に求めることは何か?
「地域の団体やボランティア活動(キッズクラブ等)に実際に参加して、その中で何ができるか学生の視点で発見してもらいたい。前年度より受講生の数が多いという利点を活かし、受講生の地域での滞在時間を一時間でも長くしてもらえると、住民との交流も生まれやすくなり、話し合いの中から、気軽に問題点もみつけやすいのではないかと思う。」



大津市中央学区 安孫子 邦夫氏


和やかな雰囲気の中で授業は進められました

 一連の質疑応答の中で「新たな魅力を発見するだけではなく、今ある中央地区の魅力を住民に再発見してもらい、住んでいる街を誇りに思ってほしい。」との安孫子氏のお言葉がとても印象的でした。
人はついつい新しいものに目を奪われがちですが、今すでに手にしているものを大切にすることの重要性は、現在の制限された生活においても通じあうものがあるのではないでしょうか。

 前回・今回と、新型コロナウイルス感染症の影響でフィールドワークが難しい中、日々地域の課題に向き合っておられる仲川氏(瀬田東学区自治連合会会長)と安孫子氏のお二人にご協力いただき、実現した授業。現状の不便さを理由にできないと諦めることは簡単ですが、今だからできること、今しかできないことを模索しながら懸命に前を向こうとしている姿勢は、お二人のお話からも、受講生・教員の真剣な眼差しからも感じることができました。

 受講生は、お二人の口から直接語られたお話を通して、それぞれの地域性の違いやその差から生じる課題の多様性を感じ、自分たちに出来ること・求められていることは何なのかをより一層、現実的に考えるよい機会になったようでした。

 この機会が本プロジェクトの中でどのように活かされるか、今後の受講生のチャレンジがとても楽しみです。



社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。