2020.09.23
【社会学部】山田学部長からのメッセージ
社会学部生のみなさん
オンライン授業ばかりだった前期を終え、いよいよ対面授業も混ざり合う後期を迎えることとなりました。
特に1回生のみなさんに、ようやく通学をしてもらえることとなりました。しかしながら貴重な半年の時間を戻すことはできませんし、
これまでこうした機会を提供できなかったことを心から残念に、また申し訳なく思います。
同時に私たち教職員はみなさんをキャンパスに迎えられる日を心待ちにしておりました。
前期の静まりかえったキャンパスは、生気を失ったように感じられ、やはり大学は学生が主役なのだとあらためて感じさせられています。
さて、この誰も経験したことがない2020年はどの様に記憶されていくのでしょうか。
すっかり見慣れたマスク姿やアクリル板の仕切りといった光景は、数十年後の若い世代には異様に映るかもしれません。
もちろん未だ危機が去ったわけではなく、今後もさらなる感染拡大や経済的困窮の顕在化、そこに感染者へのバッシングなど垣間見えた排除の論理も加わって、さまざまな立場のちがいから社会の分断が進むことも考えられます。
一方で皮肉なことながら、この状況は人のつながりや分かち合うことの意義について考察を深める機会にもなるでしょう。
コロナ禍を知らない世代が生きる社会をつくるのは、私たちです。
私たちが次の世代に受け渡すべきは、奇異な光景ではなく、この経験が活かされ更新された社会であるべきです。
みなさんには、この経験と社会学部での学びを活かし、これからの社会づくりの主体となってほしいと期待しています。
この間、みなさんも保護者の方々も大変な時を過ごされてきたこととお察ししています。
厳しい環境におかれ、不安になっている人がいたとしてもそれは自然なことであり、
大学もまた迷いながらこの状況に対応しようとしています。
単純な正解がない状況においては、対話しながら様々な思いを重ねていくことが大事だと考えます。
何より弱音や愚痴を吐き出すこと、聞かせてもらうことにも意味があります。
まとまった「相談」でなくても、大変なこと、何らかの支えが必要なことがあれば、教職員にも話して下さい。
こうした過程を経ながら、この大学をよりよい学びと成長の場にしていければと願っています。
ともに乗り越えていきましょう。
2020年9月23日
社会学部長 山田 容