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2020.09.30

キャンベル共同計画ライブラリー(C2ライブラリー)を更新【犯罪学研究センター】

日本におけるエビデンスに基づいた政策の確立を目指して

龍谷大学 犯罪学研究センター(Criminology Research Center)では、犯罪をめぐる多様な〈知〉の融合と体系化を目的とし、現在13のユニットでの研究活動が行われています。
その一つである「政策評価」ユニット*1では、浜井 浩一 ユニット長(本学法学部教授)のもと、犯罪学(犯罪防止)における科学的エビデンスの構築と共有を目的として、2000年に国際研究プロジェクトとして始まったキャンベル共同計画(Campbell Collaboration: C2)*2に協力しつつ、政策評価研究が行われています。


https://campbellcollaboration.org

https://campbellcollaboration.org


今回、キャンベル計画 日本語版WEBサイトにて「抄録(Plain language summary)」を中心として、計15ファイル(教育8・刑事司法1・社会福祉3・国際開発2・障害1)をライブラリへ追加、更新しました。

■キャンベル計画 日本語版 TOP
https://crimrc.ryukoku.ac.jp/campbell/index.html

■キャンベル共同計画ライブラリ TOP
https://crimrc.ryukoku.ac.jp/campbell/library/index.html


今回、新たに加わった「抄録」は、キャンベル共同計画の数々の成果報告を広く一般に周知するために簡潔にまとめられた英語版のパンフレット(Plain language summary)を日本語に訳したものです。この「抄録」を通して、各調査研究が何を目的とし、どのような結果が得られたのかを端的に理解することができます。
さらに、この「抄録」を端緒として「レビュー」や「プロトコル」などの調査報告書を読み進めていくことで、エビデンスについて考える機会や成果を活用する機会が増える一助となることを期待しています。

<今回の更新内容>

▼「刑事司法」分野
https://crimrc.ryukoku.ac.jp/campbell/library/crimejustice.html
【>>PDF Link】親密なパートナーからの暴力を受けた子どもたちの幸福を促進するための心理社会的介入の有効性に関する限られたエビデンス

▼「社会福祉」分野
https://crimrc.ryukoku.ac.jp/campbell/library/social.html
【>>PDF Link】家族グループの意思決定が従来の児童保護手続きよりも良いか悪いかを示すエビデンスはない
【>>PDF Link】ケアファーミングの効果についてはより多くのエビデンスが必要である
【>>PDF Link】専門職継続開発訓練(CPD)による効果に関するエビデンスはほとんどない


▼「国際開発」分野
https://crimrc.ryukoku.ac.jp/campbell/library/international.html
【>>PDF Link】妊娠中に大量の除虫剤を投与すると貧血は減るが、他の母体や妊娠の結果には影響がない
【>>PDF Link】市民参加は低・中所得国の公共サービスへのアクセスを向上させるが、開発成果に関するエビデンスは限られている


▼「教育」分野
https://crimrc.ryukoku.ac.jp/campbell/library/education.html
【>>PDF Link】対象を絞った学校ベースの介入は、中学1年生から高校3年生までのリスクのある生徒の読解力と数学の達成度を向上させる
【>>PDF Link】言語理解指導は、一般的言語理解力にはわずかな効果があるが、読解力にはほとんど効果がない
【>>PDF Link】シングルトラックの通年教育は、K-12の生徒の平均的な数学と読解力を適度に向上させる
【>>PDF Link】K-12年生の生徒のための適応指導と個別化が学力向上につながる
【>>PDF Link】少人数学級が学力に与える影響は小さい
【>>PDF Link】回復支援高校や大学の回復コミュニティが効果的かどうかを知るためのエビデンスは不十分である
【>>PDF Link】良いデザインの研究が少なすぎるため、K-12の児童・生徒の数学、英語、国語(ELA)、科学の成績に対するティーチ・フォー・アメリカの効果は不明である
【>>PDF Link】軍事作戦への配備は、兵士のメンタルヘルスの機能に負の影響を及ぼす


▼「障害」分野
https://crimrc.ryukoku.ac.jp/campbell/library/disability.html
【>>PDF Link】個別の助成金給付はヘルスケア・社会的ケアに対して正の効果がある


【補注】:

*1犯罪学研究センター「政策評価」ユニット:
https://crimrc.ryukoku.ac.jp/org/science.html

*2 「キャンベル共同計画(Campbell Collabolation: C2)/英語サイト
社会、行動、教育の分野における介入の効果に関して、人々が正しい情報に基づいた判断を行うための援助することを目的する国際的な非営利団体です。
https://campbellcollaboration.org/