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2020.11.06

京丹後三重・森本プロジェクト 第2回現地フィールドワークで地域の方と交流【政策学部】

 2020年10月31日(土)に「政策実践・探究演習 京丹後三重・森本プロジェクト(谷垣岳人先生担当)」の受講生17名(2回生10名、3回生7名)と教員2名が、今年度2回目の現地フィールドワークを実施しました。今回も残念ながら日帰りとなりましたが、地域の方々と小グループでヒアリング・意見交換をすることができました。


 当日は秋晴れの晴天に恵まれ、貸切バスで森本区を中心に集落をあるき、関係者へのヒアリングをおこなうことにより地域への理解を深めることができました。谷垣岳人先生の指導のもと、水田での生き物調査も行いました。新型コロナ感染防止対策を十分おこなったうえで小グループごとに活動しました。前回は地域の方との交流ができなかったのですが、今回は事前にPCR簡易検査を受けたことにより、地域の理解を得てようやく対面で交流することができました。
 本プロジェクトは、「環境保全型農業(希少生物のゲンゴロウなど多くの生き物が棲息できるような農薬・化学肥料を抑えた環境で米作りなどをおこなう)への理解を深め、地域に根付かせることを目標にしています。活動の柱として、こうした環境で育てた「ゲンゴロウ郷の米」を三重・森本の地域ブランドとして確立することをめざしています。

 受講生たちは、「ゲンゴロウ郷の米」はどのような農法で育てるのか(政策班)、どのように販路を拡大していくのか(経済班)、地域の人たちに多様な生き物に関心をもってもらうための調査方法をどう確立し普及していくのか(生物班)、という3班で活動しています。今回のフィールドワークではそれぞれの班活動にかかわる場所を調査し、関係者へのヒアリングと学生側からも活動内容の説明をおこないました。

 政策班・生物班の活動の中で重要な位置を占めるのが「ひよせ」です。夏の中干し(稲の成長期に田の水を抜く)以降、田んぼにあまり水がないため、ゲンゴロウなどの生物は「ひよせ」に避難し生きています。生物調査は「ひよせ」を中心に行います。しかし、生物にとっては居心地の良い「ひよせ」でも、農家にとっては維持管理に大変な労力を伴います。こうした苦労を実際に農家の方から伺いました。学生たちは、もっと簡単な方法で「ひよせ」をつくることができないか、先進事例を調べて提案したいと考えています。農薬、肥料の問題も重要です。完全無農薬では収量が見込めないため、いかに生物にやさしい農薬・肥料を使用するのかということも研究テーマとなります。生物調査の方法も、地域の方が子どもたちとできるように、下敷き状の「三重・森本の田んぼ生き物図鑑」のようなものを作成したいと考えています。
 「ゲンゴロウ郷の米」をもっと多くの人に届けるために、販路拡大に向けた取組、パッケージの改良、ふるさと納税返礼品の検討など、これからの学生たちの斬新なアイディアと行動力が期待されています。


農法委員の丸井氏へのヒアリング(経済班)


調査に向かう生物班と谷垣先生


女性グループ「まんぐるわ三重・森本」の田﨑氏、中西氏へのヒアリング(政策班)


まんぐるわ三重・森本の畑


前回調査で見つけたゲンゴロウの一種

 今年はコロナ禍の中、昨年度までのような公民館で宿泊しながら何度も地域を訪問するような活動はかないませんが、数少ない貴重な訪問の機会を有効に活用し、今後の活動につなげていきたいと思います。次回は2月に訪問を計画しており、少しでも多く交流できることを学生一同楽しみにしています。
 農繁期のお忙しい中で学生を受け入れてくださる三重・森本の皆さま、地域と大学をコーディネートいただいている大宮市民局の皆さま、これからもどうぞよろしくお願いいたします。


パッケージは先輩たちが考案


希少生物が生きるために重要な「ひよせ」