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2020.11.12

ハルモニの体験を聴く【社会共生実習】

インタビューの様子

 11月6日、「社会共生実習(多文化共生のコミュニティ・デザイン~定住外国人にとって住みやすい日本になるには?~)」(担当教員:現代福祉学科 川中大輔)では、南珣賢氏(NPO法人 京都コリアン生活センター・エルファ(http://lfa-kyoto.org/)副理事長/事務局長)のご協力のもと、受講生らが在日朝鮮人一世であるハルモニ(韓国・朝鮮語で祖母、おばあさんの意)にインタビューを行いました。


インタビューを受けてくださったハルモニ

 今回お話をお伺いしたハルモニは、父親を追って2歳で朝鮮半島から淡路島にやってきたそうで、当時は馬小屋で暮らし、日本語もわからず、人と接する機会もない生活をしていたそうです。
 近所の散髪屋では、行儀よく順番を待っていたにもかかわらず、「朝鮮は後や!」と言って日本人を優先する店主にとても腹が立ったことを鮮明に覚えておられ、今でも悔しいとおっしゃっていました。
 そんなある日、祖国に帰国できると聞かされ荷物を預けたハルモニが出航時刻に港に向かうと帰国用の船が忽然と姿を消しており、日本で暮らすしか選択肢がなかったことも教えてくださいました。
 そんなハルモニでしたが、日本に来てよかったことはと聞かれると、「夫に出逢えたこと」だと答えてくださいました。日本で生まれ育った方で朝鮮語は全く話せなかったそうですが、とても優しく素敵な方だったようで、それまで壮絶なお話を伺って顔がこわばっていた受講生たちもホッと安堵した様子で傾聴していました。


学生の様子


学生の様子

 現在、ご存命の在日朝鮮人一世の方の数はどんどん少なくなっているそうですが、その中でも今回お話をお伺いしたハルモニは、15~16歳の頃に1948年4月14日から4月26日にかけて発生した阪神教育闘争を経験した数少ない貴重な存在であることも今回のインタビューで判明しました。

 まだまだたくさんのお話を伺いたかったのですが、ハルモニの体調も考慮して、今回はここまでとなりました。
 現代の日本人にとって実感が薄れてきてしまっている在日朝鮮人一世が直面した問題について、今回のように興味を持って話を聴いてくれることがとても嬉しいとおっしゃってくださるハルモニは、日本人である受講生たちにとても温かく接してくださいました。

 受講生らはまた次回、インタビューの続きをお伺いする予定です。過去の過ちを繰り返さないためにも、風化させないためにも、こうした活動が重要なのだと改めて気づかされる時間となりました。

社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。