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2020.11.26

三日月滋賀県知事と農学部生がオンラインディスカッション~ポストコロナ社会における農業~

 2020年11月26日(木)、農学部の客員教授である三日月大造滋賀県知事と農学部食料農業システム学科の学生がオンラインでディスカッションを行いました。

 テーマは「ポストコロナ社会における農業」。琵琶湖があることで、滋賀県の農業は他府県とは異なる特徴があります。琵琶湖の水は、毎年冬に上部から下部まで水を循環され、下部層の水にも酸素を運びます。そうすることで生き物や植物プランクトンが元気になるのですが、ここ2年、一部の領域で未完了となっているとの報告もありました。近年、気候変動も大きく琵琶湖や琵琶湖付近に生息する生き物も通常と異なる動きをしてわたしたちに自然の異常を知らせてくれています。
 そんな気候変動に対応できる農業をおこなっている滋賀県。たとえば、農学部「食の循環実習」で作付から収穫までおこなう「みずかがみ」というお米の品種。これは、滋賀県が開発した暑さに強い品種です。また、環境にこだわる農業を重視して、オーガニック米の商品化や生産面積の拡大をすすめておられます。さらには、6次産業化や農福連携の推進も力を入れておられます。
 今年はコロナウイルス感染拡大に伴い、オンラインの重要性を感じ、今後の方策を十分に検討していくこともお話がありました。
 三日月知事が思う県民と共に大切にしたいこと、それは「利他のこころ」であるとお話いただきました。生態系や自然界内で資源が循環し、みなが健康に一緒に生きていくことができる社会の実現を目標に、本当の意味での「健康しが」を目指します。
 また、三日月知事の大学生時代から現在に至る職歴も、学生にとっては貴重なお話でした。

 ディスカッションでは、学生からの質問に三日月知事が返答してくださいました。最初は緊張した様子の学生たちでしたが、滋賀県知事に自分の考えや疑問、思いを直接伝えていくうちにどんどんと質問が沸き、学生からアイデアも提案され、三日月知事の賛同を得るなど、非常に有意義な時間となりました。
【三日月知事から賛同を得た学生の『Nice idea!』】
滋賀県の農業をPRするには、たとえば近年人気のキャンプやカフェなどとコラボレーションをさせて、農業・農産品をPRしてはどうでしょうか。直接農業に興味のない方もターゲットとすることができ、広範囲に滋賀県の農業や農産品が広まっていくと思います!

 参加学生の中には他県から通学している学生も多く、滋賀県のことを知らなかったと話す学生もいましたが、参加学生からは次のような感想が寄せられました。
【参加学生コメント】
●コロナ禍という機会を使って地産地消を進めていく政策に滋賀県が成長していくイメージが湧きました。
知事の農業についての知識が高いのはそれだけ地方政治、自治において農業が重要な部分を占めていることが見受けられました。積極的に環境に配慮した農業を進める滋賀県に魅力を感じ、興味が増しました。

●滋賀県の農業には以前から興味を持っており、環境こだわり農業については卒業論文で取り上げたいと現段階で考えていました。インターネットで調べるだけでは出てこない知事の声を聞いて、どのようなことを目標にして活動されているのかがわかりました。滋賀の強みや弱み、その弱みを解決するために進められている活動もおもしろかったです。また、コロナの状況の中で今までよりも地方の需要が出てくると予想されるので、どのように滋賀をアピールするかにも注目したいと思います。

●コロナ禍においての今後の滋賀県が目指していく像や意向を見ることができました。大学で学んでいることと、滋賀を指揮する知事が考えていることとの関係性を理解できました。

●知事が私たちの話や意見をきちんと受け止めて返答して下さり、疑問だったことが解決できたので良かったです。今の現状に対しての思いや生徒からの質問に対しての応答を親身にしていただき、さらに理解が深められました。

 農学部生にとって滋賀県知事と対話をするという大変貴重な経験をしたことで、新たな気づきがありました。今回の経験は学生たちの今後の研究に大いに役立つことと思います。
 オンライン・オフライン問わず、今回このような双方向のコミュニケーションが図れる機会を実現できたことは、龍谷大学農学部の教育が邁進し続ける礎となり、学生の学びを止めない新しい教育体制につながることと思います。