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2020.12.10

神戸新聞に里山学研究センター研究員・須川恒氏が掲載【里山学研究センター】

兵庫県川西市内の住宅地内に、県のレッドデータブックによる絶滅の危機「Bランク」に指定されているオシドリが飛来したことにより、里山学研究センター研究員であり日本鳥学会会員の須川恒氏が神戸新聞から取材を受けました。


下記サイトから閲覧可能ですのでぜひご覧ください。
神戸新聞NEXT 2020年12月3日公開

<須川恒氏のプロフィール>
里山学研究センター研究員、日本鳥学会会員
著書に『景観の生態史観―攪乱と再生の環境デザイン―』(共著、京都通信社、2012年)、『琵琶湖岸からのメッセージ―保全・再生のための視点―』(共著、サンライズ出版、2017年)、『琵琶湖水域圏の可能性―里山学からの展望―』(共著、晃洋書房、2018年)、『森里川湖のくらしと環境―琵琶湖水域圏から観る里山学の展望―』(共著、晃洋書房、2020年)などがある。


         『住宅地の中のため池で越冬するオシドリ』

 毎冬のカモ類の調査をしている市民団体「川西自然教室」によると、兵庫県川西市の新田大池と近辺の同様の池(少なくとも14ヵ所)では、25年ほど前からオシドリが多く越冬しているそうです。
 新田大池のような住宅地内の池は、フェンスで囲まれ人が入ることができないためオシドリは安心して過ごすことができます。そのうえ、餌とするドングリ類ができる樹木が多くあります。
 このような特徴を持った池は兵庫県東南部に多くありますが、周囲に家が建ち並んでいるために観察できる場所が限られており、また多くのオシドリが飛来していても離れた水面だと肉眼や小さな双眼鏡程度では実態が分かりにくいので、野鳥観察用望遠鏡を使った調査が必要です。
 普段、オシドリは観察しやすい場所からは見えにくい入り江などに潜っていて、なかなか見やすい場所に出てきてくれません。しかし、姿が確認できなくてもオシドリがやってきているかどうかは、オシドリの鳴き声で確認できます。メスの鳴き声は「クワン」 「クワン」と小犬のような鳴き声です。この鳴き声を知っている人が増えるとオシドリの生息情報がさらに増えることでしょう。
 ちなみに、仲が良い夫婦を「おしどり夫婦」と言いますが、オシドリは冬ごとに毎年パートナーを替えるそうです。