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2020.12.24

経営学部特別講義「我が社の経営と京都」において株式会社島津製作所 上席専務執行役員 藤野 寛 氏にご講義いただきました。

 12月1日に龍谷大学・経営学部で開講している特別講義「我が社の経営と京都」において株式会社島津製作所 上席専務執行役員 藤野 寛 氏による講義が、龍谷大学深草学舎にて行われました。

 講演では、藤野氏の自己紹介に続いて「島津製作所の概要~歴史及び事業領域」という話題が取り上げられました。社是「科学技術で社会に貢献する」のもと、新たな事業へ挑戦しつつ今年で創業から145年に至る同社の発展の軌跡と会社概要についてお話しいただきました。

 続いて、ご自身が関わられた3期・9年間の中期経営計画の位置付けについて紹介されました。同社における中期経営計画の意味・意義について、会社のありたい姿をベースに長期ビジョン(10年後の姿)を描き、3か年というのを一つの区切りとして、その期間で、現状から将来像に向かって、何をどのように実行していくのか、を示すものであると強調されました。そして、上手くいったもの、いかなかったものが出てくるもとで、PDCAサイクル繰り返しながら「ありたい姿」へ持っていくと話されました。
あわせて、大事なのは、常に社是を踏み外さず、社是を実現するためには、どういった事業領域でどのような社会価値を創造していくのかを、皆で考え、皆が共感を持って実践することであろう、と述べられました。

 さらに、現在取り組んでおられる中期経営計画の基本コンセプトについて、顧客課題はもちろん、社会課題の解決に取り組んでいることが述べられました。それは、「社会課題の解決に資する企業」ということであります。自社製品・サービスを活用し、国内海外あるいは社内社外を問わず、積極的にパートナーの方々と一緒に、社会課題解決のための仕組み作りと社会実装を推進することで、新市場の創出へ挑戦、新しい事業モデルへの取り組みを強化し、さらなる成長を目指していることを語っていただきました。

 「業界の現状と自社のポジショニング」の話題では、同社の主力事業のうち計測事業と医用事業を取り上げて、それぞれ社会価値、事業価値、Positioning、Strategyの4つの観点から詳細に説明いただきました。この点は学生たちにとって特に印象深いお話となりました。

 最後に、経営拠点を京都においている価値についてお話しいただきました。そこでは、私見とされながらも何点かあげて説明されました。
その中で「先義後利」の理念経営が長期的な繁栄に繋がっている具体的な企業の事例紹介や、人口に対する学生数の割合が京都市は(全国トップの)10%もあり、若い知的エネルギーが溢れる都市であることなどもありました。
更には、京都という町を大事に維持していこうという人の多さが何よりも最大の資源だとも述べられました。
利便性の高い都市構造、新旧両面を併せ持つ都市であり、若い人材と高齢者がともにいる都市で、都市自身がダイバーシティーにあふれている。だから何かが興しやすい。
やはり京都という資産・ブランド・品質は、京都を愛する人を作ります。このような素晴らしい都市にいることは、経営拠点としては非常に恵まれているのではないかとのお話でした。

                  (担当教員 細川 孝)