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2019.02.26

【報告】2018年度春季国内体験学習プログラム(福島)を実施しました。

 今年度で4年目となる春季国内体験学習プログラム『福島スタディツアー ~福島の“今”を見、福島の人々の“言葉”を聴き、そして“自分”を見つめる~』。2月19日(火)~23日(土)まで、学生15名が筒井センター長、竹田コーディネーターと共に福島県へ行ってきました。
 主なスケジュールは以下の通りです。

・1日目:2/19(火)
 雨の京都駅を8:00に出発し、19:00前に福島市に到着しました。毎年お世話になっている『NPO法人うつくしまブランチ』の皆さんの他、今年は地元の高校生や留学生、また地震当日から取材を続けていたカメラマンの方からのお話も聞くことができました。
「お金も力もない高校生の自分にできること、それは“学ぶ”ことだ」「教育は義務ではなく権利だ」。カメラマンの方からは自身のやりきれない思など、濃い内容をさらに凝縮したお話を伺いました。


1日目:『うつくしまブランチ』などの皆さんからお話いただきました

・2日目:2/20(水)
 心配していた雨も止み、午前中は『阿部農園』で実際に農園内を歩きながら、震災直後に安全な梨を作るためにどんな作業を行ったのか、梨を出荷する際には国の基準値よりも更に厳しい基準値で測定したこと等のお話を聞きました。午後からは浪江町で、地元の方から町を案内していただきました。請戸漁港の展望台に登った後、浪江町立請戸小学校の子どもたちが、津波を逃れて懸命に登った大平山に向いました。地震発生後10分で避難行動を始め、全員無事だったそうです。大平山公園は、海と請戸地区が一望できる場所でした。また、五感で感じて欲しいと、駅前をそれぞれが歩きました。まさに、その場に立ってお話を聞いたので、学生達はいろいろとリアルに感じ取れたようでした。
 次に南相馬に移動し、『デイサポートぴーなっつ』の青田さんから福祉避難所のことや震災直後の頃のお話を伺いました。学生達は膨大な情報量を理解するのが厳しそうでしたが、必死でメモを取りながら聴いていました。宿に帰っての振り返りでも、混乱しながらも必死で理解しようとしている学生達のそれぞれの言葉が印象的でした。


2日目:阿部農園でのお話に、必死でメモを取る学生たち


2日目:浪江町を案内いただきました

・3日目:2/21(木)
 朝から地元の高齢者の皆さんが自主的に立ち上げて運営されている『さくらサロン』を訪問し、交流させていただきました。筒井副センター長の挨拶の後、余興として学生達がAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を披露しました。また、4つのチームに分かれたクイズ大会では大いに盛り上がりました。その後、休憩を挟んでお茶を飲みながらの交流会。あっという間の2時間でした。
 午後からは出来たばかりの『小高交流センター』を見学させていただき、南相馬市社会福祉協議会の方々から震災直後から現在までの取り組みについて、密度の濃いお話をじっくりと聴かせていただきました。社協職員自身も被災している中で支援に走り回っていたこと、情報が全然なかったこと、食べ物や薬が枯渇して行ったこと、災害ボランティアのこと等、被災直後のお話は本当にリアルでした。福祉系の職業を志す学生もいるので、とても真剣に話を聞いていました。


3日目:学生たちが「恋するフォーチュンクッキー」を披露


3日目:さくらサロンのみなさんと


3日目:南相馬市社協にて

・4日目:2/22(金)
 午前中は南相馬市内をガイドの方にご案内いただき、防災センターや大悲山薬師堂石仏などを見学しました。南相馬市は浄土真宗ととてもご縁が深い地域で、そういった歴史的なことも教えていただきました。
 午後からは小高ワーカーズベースの和田さんからお話を聴かせていただきました。場所は出来たばかりの小高パイオニアヴィレッジ。柔軟な思考から語られる和田さんの言葉に刺激を受けた学生達から、質問が次々と出てきて、予定の時間を30分も越えてしまいました。その後、郡山市でゆっくりと振り返りをして全てのプログラムを終了し、京都に向かいました


4日目:南相馬市内視察の様子


4日目:『小高ワーカーズベース』の方からお話を伺いました。

・5日目:2/23(土)
 朝、7:30頃京都に到着し、解散しました。

 このプログラムでは、東日本大震災の福島第一原発事故の影響による様々な課題に取り組まれている南相馬市内の人々や団体を中心に訪問させていただき、たくさんのことを学び・考え・悩んだ5日間となりました。お話を聴かせてくださったみなさま、本当にありがとうございました。
 4月下旬に、深草・瀬田の両キャンパスにて報告会を実施する予定です。詳細は追って、センターFB・HPを通してお知らせしますので、ぜひ、ご参加ください。