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2020.12.22

-研究って楽しい、農学は身近な学問-付属平安高校でアグリカフェ実施

12月22日(火)、23日(水)の2日間にわたり、付属平安高校と連携して農学を身近に感じてもらう取り組み「アグリカフェ※」を開催しました。

22日(火)は1年生を対象に「謎多き陸上の生物~姉川クラゲ~」、23日(水)は2年生を対象に「トウガラシのホットな旅~口から空まで~」をテーマにして、最新の研究を学びました。

1年生を担当したのは、資源生物科学科の玉井鉄宗講師と、食料農業システム学科の坂梨健太講師。
「姉川クラゲ」は、イシクラゲと呼ばれる陸棲ラン藻類の一種で、かつて姉川流域(滋賀県)で食用とされていたものを指します。過酷な環境状況でも生き延びることができる不思議な生物で、抗がん性、抗菌性、抗ウイルス性、紫外線吸収などの潜在能力を持っており、食料問題や環境問題の解決につながる可能性を秘めています。
玉井講師・坂梨講師から、このプロジェクトが4学科の学生・教員が学科の垣根を越えて集結し、この「姉川クラゲ」の魅力、価値を再発見をめざすものであると紹介されました。
1年生は文理選択を行う重要な時期であり、参加した生徒は農学部の学びの中で文系からのアプローチもあるということを学び、自身の進路選択のヒントになったようです。

2年生を担当したのは、植物生命科学科の古本強教授。
自身が出演したNHK「チコちゃんに叱られる」の撮影の裏話と自身の研究内容を説明されました。人間がトウガラシの辛さを感じるのは口の中にある受容体「TRPV1」の働きによるものです。本来 43℃以上の熱に反応し熱さや痛みの信号を脳に送るTRPV1ですが実は辛さの原因物質カプサイシンにも反応しています。そのためトウガラシを食べると熱さや痛みを感じた時と同じように危険信号が脳に送られヒトは「辛い」と感じているのです。
2年生は、テーマである「トウガラシ」にちなんだお菓子をつまみながら、辛いと感じる感覚を身に染みて感じていました。
古本教授からは、「研究は楽しいもの。熱中できるものがあることは、遠回りに見えて、実は一番近道。大学に入学するまでに自分がやりたいことを見つけてほしい」とメッセージが送られました。

今後も、農学部では、「食」や「農」に関する内容を実験や体験をとおして、中・高校生の研究や学びへの意欲を醸成する取り組みを行っていまいります。

※アグリカフェは造語です。カフェのような雰囲気の中で科学を語り合う「サイエンスカフェ」に倣っています。

【参加者の感想】
<1年生の感想>
・理科系だけでなく文系の知識も使っていて、現地の人と話し、地域の課題を聞くなど人との交流ができるということを知って、農学部への関心が高まった。
・自分が持っていた農学部に対してのイメージとは違い、自分の興味をそそるようなことを学んでおり、学ぶ楽しさを知ることが出来そうで、進路選択にプラスになりました。
・龍谷大学農学部は4つの学科が連携して、活動を行っていることが他大学の農学部と違って新しいなと思いました。

<2年生の感想>
・農学部でこんなに深いところまで調べたり学べたりできると思っていなかったので、奥深い話を聞けて面白かったです。
・トウガラシについて新しい発見がたくさんあった。疑問に思ったことや面白いなと思ったことを研究するのが楽しそうだなと思いました。
・自分の興味の持ったことを進んで研究できる大学のスタイルがとても良いなと思い、早く自分の研究をしてみたいなと思いました。

【参考URLはこちら】 
姉川クラゲに関する記事はコチラ ← クリックください。
・古本 強 教授(環境生理学研究室)はコチラ ← クリックください。 
・玉井 鉄宗 講師(植物栄養学研究室)はコチラ ←クリックください。
・坂梨 健太 講師(熱帯農業・社会経済研究室)はコチラ ←クリックください。