Need Help?

News

ニュース

2021.01.22

2020年度「社会共生実習」活動報告会を開催しました【社会共生実習】

 1月8日(金)に社会学部「社会共生実習」全プロジェクトの活動報告会をオンラインで開催しました。
当日は各実習の連携先の方もご参加下さり、受講生たちの発表に熱心に耳を傾けてくださいました。

まず初めに、全6プロジェクトの1年間の活動の様子を、各プロジェクトより発表し、その後、分科会という形で「ポスターセッション」をおこないました。

それでは、各プロジェクトの報告内容について、簡単にご紹介します。

① 地域エンパワねっと
本プロジェクトでは2チームに分かれて、大津市瀬田東学区と大津市中央地区で活動を進めてきました。

・瀬田東チームでは瀬田東学区自治連合会会長の仲川欣伸氏へのインタビューや執行役員が集う三役会議の参加などを経て、「担い手不足」という地域の課題を発見しました。そこで、担い手不足解消のモデルケースとなる大津市平野学区にある『平野コミュニティーセンター』の久保敏彦氏や各種団体の会長にインタビューをおこなった上で、今後の課題解決に向けての取り組みの提案をしました。今後、地域の方とともにその提案を具体的に活用していけたらと考えています。

・中央チームでは、大津市が管理しているコワーキングスペース『まち家オフィス結』(以下、まち家オフィス)や『中央市民センター』で話を聞く中で、「コロナ禍で失われた地域の人たちのつながり」という課題を発見しました。この課題に対し、何か新しい企画ができないかと考え、2つのイベントを企画しています。
1つ目は「スカイランタン」イベントです。子どもたちに何か良い思い出を残したいという地域の方々の想いをもとに企画しました。実施は3月下旬を予定しています。2つ目は「図書館プロジェクト」です。まち家オフィスを、地元の方に気軽に利用してもらえるよう、オフィス内に本棚を設置し、地域の方々に本や漫画などを持ち寄ってもらい自由に読んでもらおうと考えています。地元の方に喜んでもらえるようなイベントを目指して準備を進めていきます。

② 雑創の森プレイスクールプレイワーカー
本プロジェクトは、財団法人プレイスクール協会が運営する『雑創の森プレイスクール』にて、子どもたちに「創造的な遊び場の提供」を、チーフである福山直哉氏のご指導のもとおこなってきました。周辺の豊かな自然の中で鬼ごっこやザリガニ釣りをしたり、木を切って工作したり、季節ごとのイベントにも参加しました。また、山に自生する植物のことや、山や川の危険についても学び、子どもたちにも教えてきました。受講生たちは、様々な活動にリーダーとして関わる中で、子どもたちから頼られる存在へと成長し、「子どもたちとの触れ合い方」を学ぶことができました。

③ 大学は社会共生に何ができるのか―文化財から”マネー”を創出する―
本プロジェクトでは、昨年度より文化財をとおして、地域社会の利点や課題を、滋賀県大津市を中心として調査してきました。専門家の方々からの講話を聞き、フィールドワークを何度もおこなう中で受講生たちは「文化財が生活圏に溶け込んでいるが、観光事業と住民の意識がかみ合っていないため、活用しきれていない」という現状に気づきました。
そこで、まずは地域住民が大津の偉大な歴史・文化の町としての誇りを創出し、「大津だからこそ」の暮らしや楽しさを歴史や文化から見出すことによって、文化財の維持、加えて持続可能なまちづくりにつながるのではないかと考えました。次年度は、文化財を活用したイベントの実施を予定しており、それに向けて準備を進めていきます。

④ 伏見の食材を活かした特産品づくりと地域連携
本プロジェクトでは、京都伏見ゆかりの食材を使い、農業者、食品流通業、行政など地域の方々と協力しながら、伏見ならではの「一品」を創ることを目指して活動しました。
今年度は「この7食から伏見を知ろう」をテーマに1週間分の献立の提案を試み、地元の農家などを訪問し、取材や収穫体験もおこないました。献立には、伏見の特産物を使用した米粉ピザや川魚定食、海老芋や菊芋などの京野菜を使ったカレーなどがあります。連携先の方から教えていただいたヒントや意見をもとに提案した献立は、今後インスタグラム<URL https://www.instagram.com/r_coexistence/>で公開し、リーフレットやレシピ本の作成も予定しています。

⑤ いくつになっても出かけられる!~高齢者を元気にするツアー企画~
本プロジェクトでは、高齢者の方が抱える課題に配慮し、高齢者の方でも楽しんでいただける日帰りツアーを企画、実行することを目指して活動してきました。企画するにあたり、『株式会社どこでも介護』の代表・大西友子氏と橋本英司氏から高齢者と接する際に配慮することなどを学び、実際に高齢者の方へ「どのようなところへ行きたいか」などのインタビューもおこないました。その後、受講生は2グループに分かれ、それぞれツアー企画を立案して下見し、高齢者の方目線で検討を重ね、最終的に滋賀県近江八幡市の水郷めぐりとかわらミュージアムに行くことに決定しました。ツアーは3月下旬に実施予定をしていますので、感染症対策にも万全を期して、準備を進めていきます。(※後日、新型コロナウイルス感染症の影響によりツアーの実施を見送ることに決定いたしました)

⑥ 多文化共生のコミュニティ・デザイン~定住外国人にとって住みやすい日本になるには?~
本プロジェクトでは、日本の人口の2パーセントを占める在日外国人について理解を深め、より住みやすい日本にしていくにはどうすればよいのかを考えてきました。
前期は、受講生がオンラインで在日朝鮮人やそのご家族の方にインタビューをおこない、今までの苦労や日本に対して感じていることなどをお聞きしたことにより、日本社会全体ではまだまだ在日外国人に対しての理解が不足していると感じました。
後期では、『NPO法人京都コリアン生活支援センターエルファ』の副理事長・南珣賢氏のご協力のもと、在日1世のチョンゲソンさんに直接お会いしてインタビューをおこないました。チョンゲソンさんは、差別を受けた経験などの辛い過去のお話もしてくださいました。
受講生はこれらの活動をとおして、在日外国人の方への差別はまだ続いていることや、自分には関係ないとするのではなく、知ろうとする姿勢と助け合うことが重要だと気づきました。そこから同世代の学生に対する啓発動画を作成し、発表する準備を進めています。

以上のとおり、各プロジェクトから報告がなされました。

どのプロジェクトも受講生が主体性をもって活動し、成長した姿を披露してくれました。皆さん、お疲れ様でした!!




社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。