2021.02.19
『国際自己申告非行調査(ISRD)研究報告書』を発行【犯罪学研究センター】
2019年度実施調査の概要と基礎的分析
龍谷大学 犯罪学研究センターの意識調査・犯罪社会学ユニット(以下、ISRD−JAPAN)は、世界各国の中学生を対象にした自己申告調査の結果を比較する国際プロジェクト「国際自己申告非行調査」(ISRD: International Self-Report Delinquency Study)に第3回(ISRD3)から参加することを表明し*1研究活動をすすめてきました。
ISRD-JAPANは、2019年12月から2020年2月にかけて、近畿地方のZ市内の中学校に通学する生徒を対象にISRD3の調査を実施しました。
得られた調査データをもとに、日本犯罪社会学会第47回(2020年度)大会のテーマセッションにてISRD-JAPANのメンバーが調査について報告しました*2。そしてこのたび、設問ごとに「学年」と「性別」とのクロス分析を行ったものに各種資料を付け加えた報告書を作成しました。
『国際自己申告非行調査(ISRD)研究報告書――2019年度実施調査の概要と基礎的分析――』【>>PDF】
発行日:2020年12月28日
編集・発行:ISRD-JAPAN実行委員会
※本研究は、龍谷大学・私立大学研究ブランディング事業等の助成を受けて実施されたものである。
発行日:2020年12月28日
編集・発行:ISRD-JAPAN実行委員会
※本研究は、龍谷大学・私立大学研究ブランディング事業等の助成を受けて実施されたものである。
調査の実施に際し、Z市から多大な協力をいただきましたことに、心から深く感謝申し上げます。調査協力を依頼した他の多くの市から調査実施に対する難色を示され、研究メンバー一同が途方にくれていたところ、Z市のご好意により、調査が実現しました。それほど本調査を実施することは、現代日本社会において厳しい局面にあると言えます。調査対象となった中学校の先生方、生徒の皆さんには、貴重な時間をいただき、アンケートに協力していただきました。 本当にありがとうございます。
今回の調査結果をもとに、市関係者の方々と相談しながら、具体的な政策立案にいかしていきたいと考えています。
ISRD-JAPAN一同
目次
はじめに…1
調査の概要…5
〈分析編〉…7
分析編の読み方…9
分析…10
〈資料編〉…175
資料1 調査票(英語 オリジナル版)…177
資料2 調査票(日本語 Z市実施版)…209
資料3 単純集計及び男女別のクロス集計…225
ISRD-JAPAN 運営委員会・実行委員会 メンバー一覧…238
はじめに…1
調査の概要…5
〈分析編〉…7
分析編の読み方…9
分析…10
〈資料編〉…175
資料1 調査票(英語 オリジナル版)…177
資料2 調査票(日本語 Z市実施版)…209
資料3 単純集計及び男女別のクロス集計…225
ISRD-JAPAN 運営委員会・実行委員会 メンバー一覧…238
現地調査にあたったユニットメンバーは下記のとおり ([ ]内は本報告書担当箇所)
- 相澤 育郎(立正大学・助教) [分析編 10~25 頁]
- 上田 光明(龍谷大学・研究員)
- 大江 將貴(京都大学・大学院生) [分析編 26~40 頁・分析編編集]
- 大塚 英理子(愛知教育大学・助教) [分析編 164~173 頁]
- 岡邊 健(京都大学・准教授) [調査の概要・資料編編集]
- 我藤 諭(立命館大学・専門研究員) [分析編 140~147 頁]
- 久保田 真功(関西学院大学・准教授)
- 齋藤 尭仁(京都大学・大学院生) [分析編 94~116 頁]
- 相良 翔(埼玉県立大学・助教) [分析編 148~163 頁]
- 作田 誠一郎(佛教大学・准教授)
- 竹中 祐二(北陸学院大学・准教授) [分析編 54~71 頁]
- 津島 昌弘(龍谷大学・教授) [はじめに]
- 都島 梨紗(岡山県立大学・講師) [分析編 41~53 頁]
- 津富 宏(静岡県立大学・教授)
- 中森 弘樹(立教大学・助教) [分析編 117~139 頁]
- 西本 成文(龍谷大学・リサーチアシスタント) [分析編 72~93 頁]
- 松川 杏寧(防災科学技術研究所・特別研究員) [分析編の読み方]
- 森久 智江(立命館大学・教授)
【補注】
*1「国際自己申告非行調査」(ISRD: International Self-Report Delinquency Study)は、1980 年代後半にヨーロッパで計画され、1991 年に調査が始まりました。世界各国でこれまでに 3 回の調査が行われましたが、日本が参加するのは 第3回調査(2012〜2020年)が初めてです。すでに「サイバー犯罪」などをテーマにした第4回調査がISRD本部において計画されており、ISRD-JAPANも引き続きこの調査に参加できるよう活動をすすめています。
>> ISRD-JAPANプロジェクト
*2 参照:日本犯罪社会学会第47回(2020年度)大会プログラム
http://hansha.daishodai.ac.jp/meeting/program47th_amended3.pdf
「テーマセッションF 国際自己申告非行(ISRD)調査日本版の現状と課題」
コーディネーター・司会:作田 誠一郎(佛教大学)
指定討論者:新海 浩之(大阪刑務所)、伊藤 秀樹(東京学芸大学)
1.ISRD3 実査のための交渉過程にみる自治体等との協働に向けた課題について
森久 智江(立命館大学)
2.ISRD3 実査において浮かび上がった課題
相良 翔(埼玉県立大学)
3.ISRD3 実査過程の考察――生徒指導と学級集団の観点から――
都島 梨紗(岡山県立大学)
4.ISRD3 による非行の国際的研究
齋藤 尭仁(京都大学大学院)
5.日本の少年非行の現状――ISRD3 の調査結果より――
大江 將貴(京都大学大学院)