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2021.03.22

【里山学研究センター】研究会「淀川水系の流域治水を考える—どうすれば命も環境も守れるのか—」が盛況のうちに終了

公開研究会・オンライン開催(3月19日)

オンライン公開研究会「淀川水系の流域治水を考える—どうすれば命も環境も守れるのか—」(3/19)が盛況のうちに終了

 「森のある大学 龍谷大学里山学研究センター」は、3月19日午後3時より、オンライン公開研究会「淀川水系の流域治水を考える」を開催し、大盛況のうちに会を終了しました。今回の研究会は、国土交通省近畿地方整備局が「淀川水系河川整備計画(変更)」原案を2月末に公表したことを受けて、淀川水系を主題として、従来のダムや堤防を中心とする「総合治水」に代わる治水としてメディアでも取り上げられることの多い「流域治水」の可能性と課題を考えることを目的に、緊急開催されました。告知期間の短さにもかかわらず、多くの参加者が集まり、この問題に対する市民社会の関心の深さが伺われました。
 
 研究会はオンライン会議ソフトウェア「Zoom」を使用しておこなわれました。最初に今回の研究会を企画した伊達 浩憲氏(龍谷大学経済学部教授)が司会として趣旨を説明した後、まず天文学者の中川 晃成氏(龍谷大学先端理工学部講師)が「淀川と流域三大支川の水理、およびその治水の行方」という題目で発表しました。そこで中川氏は、淀川水系の水理についての実証的な確認を踏まえ、整備計画の変更案に関して自治体へ提供された水文データを読み解くことで、水系の治水上の問題箇所の所在を指摘し、あわせて、現在の治水政策の本質的限界にも言及しました。
 
 次に、治水行政の専門家である瀧 健太郎氏(滋賀県立大学環境科学部准教授)は「流域治水の展望と課題」について発表しました。瀧氏は、治水政策がダムや堤防を中心とする「総合治水」から地域でおこなう「流域治水」へとシフトしつつある背景や、二つの治水の考え方の関係について、いくつかの観点から整理し、両者を対立させて捉えることの誤りを指摘するとともに、流域治水の重要性と課題、今後の展望を示しました。
 
 二人の発表後、伊達氏の司会によりディスカッションがおこなわれました。治水問題に長らく関わってきた地理学者の秋山 道雄氏(滋賀県立大学名誉教授)がコメンテータとして包括的な議論をおこなったあと、参加者も交えて、大戸川ダムなど個別の問題から治水問題全般にかかわる問題まで、学術分野や専門分野を超えたさまざまな議論が展開されました。
 
 緊急の開催であったことから、とても短い告知期間(10日間)しか用意できなかったものの、全国各地の研究者や治水関係者、議員、市民、大手報道機関5社を含む、68名の参加がありました。今回の主題については、今後も当センターで議論を継続していきたいと考えています。