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2021.03.23

中村千春元植物生命科学科教授が書籍を出版されました

 今般、中村千春元植物生命科学科教授が、書籍を出版しましたので紹介します。中村先生による書籍紹介あり。どんな書籍?こんな方に読んでほしい!など、中村先生の思いも一緒に読んでみてください。書店やインターネットから購入ができます。


■書籍名(Amazon書籍紹介を改変)
『カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書』シリーズ第1巻〜第3巻(ブルーバックス)

MIT(マサチューセッツ工科大学)、ハーバード大学、スタンフォード大学などアメリカの名門大学が採用する「世界基準」の教科書! シリーズ累計30万部を突破したベストセラーの完全改訂版が、11年ぶりに登場。

・第1巻 細胞生物学  石崎泰樹・中村千春 監訳・翻訳  小松佳代 翻訳 2021年2月20日
・第2巻 分子遺伝学  中村千春・石崎泰樹 監訳・翻訳  小松佳代子 翻訳 2021年3月20日
・第3巻 生化学・分子生物学  石崎泰樹・中村千春 監訳・翻訳  小松佳代子 翻訳 2021年4月予定


■目次
・第1巻:1章 生命を学ぶ 2章 生命を作る低分子とその化学 3章 タンパク質、糖質、脂質 4章 核酸と生命の起源 5章 細胞:生命の機能単位 6章:細胞膜 7章 細胞の情報伝達と多細胞性
・第2巻:8章 細胞周期と細胞分裂 9章 遺伝、遺伝子と染色体 10章 DNAと遺伝におけるその役割 11章 DNAからタンパク質へ:遺伝子発現 12章 遺伝子変異と分子医学 13章 遺伝子発現の制御
・第3巻:14章 エネルギー、酵素、代謝 15章 化学エネルギーを獲得する経路 16章 光合成:日光からのエネルギー 17章 ゲノム 18章 組換えDNAとバイオテクノロジー 19章 遺伝子、発生、進化


■中村千春先生による書籍紹介
 『カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書』シリーズは、米国の生物学教科書『LIFE』(11 edition)から「細胞生物学」、「分子遺伝学」、「分子生物学」の3つの分野を抽出して翻訳したものである。『LIFE』のなかでも、この3つの分野は出色のできであり、その図版の素晴らしさは筆舌に尽くしがたい。図版を眺めるだけでも生物学の重要事項をおおよそ理解することができるが、その説明もまことに要領を得たもので、なおかつ奥が深い。
 『LIFE』は全58章からなる教科書で、学生としての過ごし方や実験方法からエコロジーまで幅広く網羅している。世界的に名高い執筆陣を誇り、アメリカの大学教養課程における生物学の教科書として、最も信頼されていて人気が高いものである。例えばマサチューセッツ工科大学(MIT)では、一般教養科目の生物学入門の教科書に指定されており、授業はこの教科書に沿って行われているという。
 MITでは生物学を専門としない学生もすべてこの教科書の内容を学ばなければならない。生物学を専門としない学生が生物学を学ぶ理由は何であろうか? 一つは一般教養を高めて人間としての奥行きを拡げるということがあろう。また、その学生が専門とする学問に生物学の考え方・知識を導入して発展させるという可能性もある。さらには、文系の学生が生物学の考え方・知識を学んでおけば、その学生が将来官界・財界のトップに立ったときに、バイオテクノロジーの最先端の研究者とのあいだの意思疎通が容易になり、バイオテクノロジー分野の発展が大いに促進されることも期待できる。すなわち技術立国の重要な礎となる可能性がある。また、一般社会常識として、さまざまな研究や新薬を冷静に評価できるようになろう。
 本シリーズを手に取る主な読者はおそらく次の三者であろう。第一は生物学を学び始めて学校の教科書だけでは満足できない高校生。彼らにとって本書は生物学のより詳細な俯瞰図を提供してくれるだろう。第二は大学で生物学・医学を専門として学び始めた学生。彼らにとっては、生物学・医学の大海に乗り出す際の良い羅針盤となるに違いない。第三は現在のバイオテクノロジーに関心を持つが、生物学を本格的に学んだことのない社会人。彼らにとっては、本書は世に氾濫するバイオテクノロジー関連の情報を整理・理解するための良い手引書になるだろう。