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2021.04.19

京都府『“つまずき”からの“立ち直り”を支援するためのハンドブック』の発行に協力【犯罪学研究センター】

「犯罪のない安心・安全なまちづくりに関する協定」に基づき支援者ハンドブックを発行

龍谷大学と京都府は「犯罪のない安心・安全なまちづくりに関する協定」に基づき、2020年度より官学連携による事業を展開してきました。この協定は“誰もが犯罪の被害者にも加害者にもならず、安心して暮らせる共生社会の実現”を目的に掲げており、2020年度の事業成果として、このたび『 “つまずき”からの“立ち直り”を支援するためのハンドブック』を発行いたしました。
ハンドブックの監修を龍谷大学 犯罪学研究センター長の石塚伸一教授(本学・法学部)が担当しました。
【>>関連NEWS】:https://www.ryukoku.ac.jp/nc/news/entry-5291.html

以下、ハンドバッグの趣旨について紹介します。(本誌より引用)

このハンドブックを使う前に〜再犯の防止にのぞむ姿勢〜


【犯罪や非行をする人たちは、どんな人たち? 】
近年、犯罪者や非行少年の多くは、傷つきやすい人、社会的に弱い立場にあ る人たちであり、本来、制裁ではなく、支援を受けるべき人たちである、とい う現実に目が向けられるようになりました。「犯罪者」「非行少年」と呼ばれ ている人たちの中には、児童虐待、ドメスティック・バイオレンス(DV)、 “いじめ” などの被害者、物質依存や “ひきこもり” の末に逸脱行為に至った 人たちも少なくありません。さらに、新型コロナウイルスの流行によって、人びとの “ 孤立” がますます加速化され、新たな自傷・他害行為が散見されるよ うになっています。
長らく専門家たちは、犯罪をするような人(犯罪人)は、文明人から取り残された「野蛮な人」というように考えてきました。しかし、現代の多くの犯罪者は、変化する現代社会に一生懸命適応しようとしている人びとであり、犯罪の原因は、その人の人格(素質)や置かれた状況(環境)ではなく、ひとりきりで誰にも頼ることができないこと(孤立)であると考えられ始めています。
犯罪の原因が誰もが体験してもおかしくないような “つまずき” から受けた 心の傷であるとすれば、“立ち直り” に必要なことは、みなさんの支援である ということになります。

【 私たちには、何ができるのか?】
私たちは、“つまずき” からの “立ち直り” を支援する、という立場からこの ハンドブックを作りました。まずは、犯罪や非行をしてしまった人たちの声を お聞きください。4つのストーリーは、実際にあった事件の取材を通して伺っ たお話をもとにライターの吉田緑さんにまとめていただいたフィクションで す。取材には NPO 法人マザーハウスの五十嵐弘志さんにご協力をいただいて います。

【ハンドブックの使い方 】
4つのストーリーから感じることは、もう少し早く誰かが支えていれば、犯 罪や非行をすることも、刑務所や少年院に行くことも、そして再び犯罪をする こともなかったのではないか。私たちにできることはなかったか、ということです。
犯罪や非行の研究を通じて得られたさまざまな知識を子育てや教育、福祉や医療、生活環境の整備の現場に活かしていくことはできないでしょうか。再犯を防止することができるまちづくりは、住む人たちにも優しい、住みやすい地域社会をつくっていくことです。

みなさんには、私たちと一緒に、“つまずき” から立ち直ろうとする人たち に優しいまち、犯罪やその被害にあいにくいまちづくりを考えていただきたい と思います。


※下記のPDFにて全編ご覧いただけます。ぜひご一読ください。


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京都府『 “つまずき”からの“立ち直り”を支援するためのハンドブック』(2021年3月発行)


京都府『 “つまずき”からの“立ち直り”を支援するためのハンドブック』表紙

京都府『 “つまずき”からの“立ち直り”を支援するためのハンドブック』表紙


京都府『 “つまずき”からの“立ち直り”を支援するためのハンドブック』裏表紙

京都府『 “つまずき”からの“立ち直り”を支援するためのハンドブック』裏表紙

龍谷大学 犯罪学研究センターが提唱する「人に優しい犯罪学」は、犯罪や非行を通して学んだ知見をみんなで活用して、地域社会の人たちが安全で、安心して暮らせる、優しい社会を創ることを提案しています。
ぜひ、みなさんも、このハンドブックを使って犯罪学を学び、再犯が起こらないですむような地域社会の創造に参加してください。