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2021.05.12

NPO法人 歴史資源開発機構 主任研究員 大沼芳幸氏に講義をしていただきました 【社会共生実習】

 「社会共生実習(大学は社会共生に何ができるのか-文化財から“マネー”を創出する-)」(担当教員:社会学科 髙田満彦教授)では、4月30日にNPO法人 歴史資源開発機構 主任研究員 大沼芳幸氏にお越しいただきました。
 大沼氏が作成した資料を基に「滋賀の文化財と文化財行政」というテーマでお話しくださいました。


ご講話の様子


大沼芳幸氏が作成された資料


受講生の様子

 滋賀県の文化財の1つである「滋賀県立琵琶湖文化館」は入場者数が減少したために現在休館中ですが、他府県に同館の収蔵品を持参し、展示すると多くの方が見学に来られるそうです。
 これは、他府県の方が中央と地方が混ざり合った独特な文化遺産に惹かれるためであり、貴重だと感じる「文化財」が滋賀県民(地域住民)にとっては身近過ぎて興味がないという事の表れと思われるとのことでした。
 滋賀県の「文化財」を維持していくためには、地域の方々に価値を知っていただき愛着を持ってもらうことが非常に大事だということもわかりました。そのためにはまず「文化財」を活用すること、それにより、その地域全体が潤い、「文化財」の価値に気づくことが社会総がかりで「文化財」を守る事になるのではないかとの事でした。
 
 現在、大沼氏は「近江聖徳太子絵伝」という取り組みをされています。聖徳太子建立縁起を持つ寺院が全国で一番多いのは近江であり、その数90箇寺余りだということなど聖徳太子の縁起の魅力を発信していきたいと話されていました。

 講義の後、大沼氏から学生たちへ質問がありました。
Q.なぜこのプロジェクトに興味も持ったのか。
A.高校生の時に参加した地域活性化では協力するだけでしたが、今回は自分たちの力で取り組み、マネーを創出することで経済が回り、そこの地域が活性化するということに興味を持ちこのプロジェクトに参加しました。


質疑応答の様子


 学生たちからも大沼氏へ質問がありました。
Q.近江聖徳太子絵伝はどういう思いで作られましたか。
A.聖徳太子をキーワードにして近江に行ってみたいという動機づけをする、ということを目的にこの絵伝を作りたい。聖徳太子は外国の人との交流が非常に強かったので、外国との文化の交流の楽しさを物語に込めて発信し、また山にあるお寺やそこから見える景観を味わって安らぎや健康成就を絵伝に託して訴えていきたい。

 その後も時間の許す限り質疑応答が繰り返され学びの深まる時間となったようです。
 今後の活動へ大いに生かしてくれることと思います。

 社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの 【専用ページ】 をご覧ください。