2021.07.28
匂いを介してセイタカアワダチソウが会話する!?
セイタカアワダチソウは匂いで、血縁認識するのでしょうか?また、血縁を識別する場合、なんのために識別するのでしょうか?
この疑問を明らかにしたのが、農学部植物生命科学科 塩尻 かおり 准教授(化学生態学研究室)です。
まずある仮説を立てました。
例えばとして、『他人の敵は自分の敵じゃない』、つまり、他人が敵にやられているからといって、自分にはその敵がこないから、匂い情報がきても防衛をあまりしないのだ!と考えました。
その結果、セイタカアワダチソウが被害をうけたときに出す匂いは、遺伝子型で異なること。また、血縁が違い匂いを受容したときほど、誘導防衛が強くなり被害にあわなくなることがわかりました。そしてセイタカアワダチソウの遺伝子型によって昆虫群集が異なること、さらに血縁が近いほど昆虫群集が似ていることがあきらかになりました。
これらの結果から、セイタカアワダチソウは、匂いで血縁認識できること、そして、より必要なときに防衛を強くすることが示唆されました。
本研究成果は、「Ecology and Evolution」に掲載されました。ぜひご覧ください。
■ 論文情報
題名:Plant–plant communication and community of herbivores on tall goldenrod
(和訳:セイタカアワダチソウにおける植物間コミュニケーションと昆虫群集)
著者:Kaori Shiojiri,Satomi Ishizaki,Yoshino Ando
公開日:2021年5月2日
■参考
塩尻かおり准教授の紹介
化学生態学研究室の紹介
塩尻かおり研究室HP「セイタカアワダチソウ論文掲載」