Need Help?

News

ニュース

2021.11.22

「労働問題・労働条件に関する啓発授業」を行いました

 経営学部の開講科目である「現代社会と企業」では例年、「過労死等防止対策等労働条件に関する啓発事業」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04730.html)の一環で、過労死家族と弁護士にお越しいただいて講演していただいています。この事業(「労働問題・労働条件に関する啓発授業」)は、過労死等防止対策推進法(2014年6月成立、同年11月施行)にもとづくものです。
 「現代社会と企業」での講演は、「過労死等防止啓発月間」である11月に行っています。今年も1日と4日に兵庫労死を考える家族の西垣廸代さん、8日と11日に弁護士の古川拓さん(過労死弁護団)に講演いただきました(月曜日と木曜日の2クラスの開講となっています)。
 西垣さんはご子息を過労死で亡くした経験を踏まえ、「息子の過労死から過労死ゼロを願う-大手電子機器メーカー子会社システムエンジニア過労死事件-」のテーマでお話ししてくださいました(写真は、講演資料の一部です)。古川さんは「過労死等防止啓発授業-過労死・働きすぎをなくすために-」のテーマで、過労死や働き方をめぐる法律や実態、そして課題について解説してくださいました。講演を聴いた受講生の感想を紹介します。

【西垣さんの講演について】
 過労死と言う言葉の意味は知っていましたが、今回の講義を聞いて私の思っているよりもっと重大な問題だったのだと気付かされました。過労死と聞いてもどこか他人事のように思っていて、私とは関係ないと思っていた部分が正直ありました。今日の講演を聞いて、私にも私の周りにも大きく関係する問題だったのだと感じました。西垣さんのような私達となんら変わりの無い未来のある人が、過労死によって命を落としてしまったという事実を知り、決して他人事なんかではなく、自分達の問題として意識しなければいけないんだと思いました。
 息子さんを亡くされたという何年経っても辛く悲しい出来事は口にも出したく無いと思っても当然だと思います。それにもかかわらず、新たな犠牲者を出さないという強い気持ちで私達に話してくださったことに本当に感謝しています。話を聞く中で、私も涙ぐんでしまうほど胸が苦しかったです。それと共に、自分の身を守る事はもちろん、家族や友人など自分の周りの人が過労で苦しんでいる時助ける勇気を持とうと思いました。新たな犠牲者を出さないためにもワークルールをしっかり理解し、自分と自分の周りの人の命を守るために行動しようと思いました。
 本日は貴重なお話をしてくださり本当にありがとうございました。

【古川さんの講演について】
 今回の講演を聞いて改めて感じたのは、自分を守るためにも自身を守る権利、法律について知ることが大切だということです。今 回紹介された事例では、まだ社会経験が浅い若手社員が過労死で亡くなられていることから、私たちも他人事ではないなと改めて 実感しました。過労死は家族の悲しみを生み、財産的、その後の救済まで長い道のりであることが多いことからも、過労死を防ぐために労働者を守る法律をしっかりと学び、社会に流されるのではなく、社会制度に疑問を投げかけ、過労死を生み出さないことが大切であると感じました。

 科目担当者(細川)は、2017年度から本科目に「啓発授業」を取り入れています。例年、200~300人の学生が過労死・過労自殺問題について学ぶ機会を得て、ワークルールの重要性や権利を行使することの大切さを実感することができているように思います。今後もこのような機会を積極的に設けていきたいと思います。
                               (文責:細川孝)