Need Help?

News

ニュース

2021.12.09

【開催報告】発酵醸造微生物リソース研究センター共催シンポジウム(12月5日)「なれずしを食べる人びと:メコン川流域と琵琶湖域の比較食文化誌」

第103回東南アジア学会研究大会シンポジウム

【発酵醸造微生物リソース研究センター共催】第103回東南アジア学会研究大会シンポジウム開催報告

2021年12月5日、本センターおよび龍谷大学農学会が共催した第103回東南アジア学会研究大会の大会シンポジウム「なれずしを食べる人びと:メコン川流域と琵琶湖域の比較食文化誌」がオンラインにて開催されました。

本シンポジウムは、東南アジア大陸部のメコン川流域および、琵琶湖域の双方における魚類発酵食品なれずしの歴史や製法、社会的位置づけに関する報告を通して、東南アジアの発酵食品文化について議論を深めることを目的として実施されました。

落合雪野・本学農学部教授の司会のもと研究者4氏が登壇し、なれずしの食生活学と文化人類学、加工方法や消費などについて幅広く報告が行われました。それに続いて田邊公一センター長(本学農学部教授)が、米と淡水魚の他なれずしに欠かせない要素である“発酵”に関してコメントを寄せました。発酵醸造微生物リソース研究センターは、滋賀県の発酵醸造産業への貢献を目的として活動する中、なれずしに関する応用微生物学研究も行っています。

コメントの中で、田邊センター長は、本センターの研究成果である「フナズシの乳酸菌に関する研究」に関して概説し、フナズシ独自の香りや味わいが生まれるメカニズムについて述べました。さらに、ある種の乳酸菌の出現が、フナズシの保存性の向上に寄与している可能性について述べました。最後に、「今後は、フナズシからの乳酸菌の分離培養や、菌叢解析を行い、なれずしの理解の一助となるよう発酵醸造微生物の研究を進めていきたいと」結びました。

次いで総合討論が行われ、なれずしの発祥、製法や漁法について活発な意見交換が行われました。最後に、岩井美佐紀・東南アジア学会会長からの閉会の辞が述べられ、盛況の中、本シンポジウムは閉会しました。

東南アジア学会第103回研究大会プログラム