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2021.12.20

龍谷経営人(びと)木戸 流砂 さん

 経営学部で輝いている学生を紹介する龍谷経営人(びと)、今回は経営学部 3年生 木戸流砂(きどりゅうさ)さん(大阪府出身)をご紹介します。
 木戸さんは難関資格である公認会計士試験に2021年度現役合格しました。他大学を辞めてから一般入試を受け龍谷大学に。しかも勉強をはじめて2年での合格と驚くことばかり。どのような学生で、どんな秘訣があり、合格までのどのような紆余曲折があったのか。中学校時代から振り返ってもらいました。話を伺っていると合格はどうやら不思議なことではなく、彼の努力家の一面が下支えしたようです。

陸上部で明け暮れた中学時代、高校では帰宅部に
 木戸さんの中学校時代は陸上部で、短距離を頑張っておられました。全国レベルの指導者がいることもあり、一生懸命取り組まれたのだそうです。高校に進学して陸上部と思っていたのですが、結果的に入部しませんでした。中学までの反動か、高校1年生の前半まで遊ぶことが多く先生にひどく叱られた思い出があるそうです。

大学受験に向けて心機一転、薬学部へ進学
 高校1年生の後半ごろから予備校に通いだすことになり、それ以降、土日も含めて、塾通いし、勉強をつづけました。おかげで成績は学内でも上位に位置するようになりました。勉強を進める中で得意な科目は数学と気づき、他に英語、生物が得意だったそうです。一方で国語、歴史は苦手であり、目標としていた国公立大学への進学は難しいと判断します。
 得意な科目を活かした学部を目指すことになりますが、親の勧めもあり薬学部のある私立大学へ合格します。「結局、振り返ったら高校3年間は勉強漬けの生活だった印象がありますね。」この頃から勉強に対する下地が整ってきたのかもしれません。

薬学系学部の大変さ
 大学に進学した頃の様子について伺いました。総合大学だったので、文系学部の学生との学生生活の違いが明らかで、楽しそうにしている様子は時に羨ましくも思いましたが、薬学という社会を支える学問分野に誇りを感じていました。しかし、勉学は順調ではなかったようで、大学受験までの頑張りの反動で燃え尽きたところもあり、勉強がほとんどに手につかなくなっていました。また、薬学の勉強は化学、生物を中心に授業が進められ、得意な数学が活かせられず難しく感じていたそうです。「試験期間中は寝る間もなく追い込まれています。試験を20分で終わらせて残りの試験時間40分は寝るくらい時間が惜しかったです。また、追い打ちをかけるように薬学部は進級制であり、ギリギリ進級できるという大変さでした。」



薬学部への限界と次なる興味

 一方で木戸さんはアルバイト先でとあるきっかけを作ります。「大阪市内の大きなホテルで配膳のアルバイトをしていました。大きな会社で働くと、組織や経営って面白そうだなと思うことが多々ありました。そこで思ったんです。この先、どこに勤めるのかなって考えた時に先輩たちが病院、MR職、薬局に勤めていくんですね。確かに社会に無くてはならない立派な仕事だけど、今の自分の目標ではないと。」卒業にかかる労力に比べなりたい自分の将来がこれかと疑問が出始めると「薬学部があってないな。」と感じたそうです。
 3年生の後期から研究がはじまり朝10時から22時まで研究をして、プラスして勉強を課せられ多忙を極めることに。研究が自分のために役立つのか。という疑問を持つと、大学を辞める決断をします。「決断したら早かったですね。大学から両親に電話をしていました。『12月に退学して、起業しようと思う。』と伝えました。」それは経営学に興味が傾いていたからでもありました。両親は慰留するよう説得しますが、1か月に及ぶ話し合いとなったそうです。

思ってもいなかった2回目の大学受験 
 ご両親の希望として大卒の資格は取ってほしいとの条件で折り合いがつくも、その時すでに薬学部3年生の1月頃だったそうです。当時在籍した大学は総合大学だったので、他学部への転部ができないか入試窓口へ相談をしにいったのですが、その時申し込める受験制度はなく、その帰りに他大学の赤本を買って帰りました。これにより再び受験生活の開始となりました。
 そのタイミングで出願が間に合ったのが、龍谷大学の中期、他大学中期、後期日程で、いずれも経営学部を志願し龍谷大学の中期日程に合格しました。「龍谷大学に運命を感じましたね。」とご本人。

龍谷大学での再スタートそして会計サークルとの出会い
 「入学して勉強は苦になることはありませんでした。自分は3つ上のお兄さんでしたが、1年生のフレッシャーズゼミではみんな普通に接してくれるし、経営学は興味をもって取り組めるし、将来に役立てると勉強していて思えましたね。ただレポート試験は国語が苦手だったこともあり、今も少し苦手意識がありました(笑)。」当時はせっかく経営学を学ぶのだから、ゆくゆくは中小企業診断士の資格を取ろうと思ったそうです。
 「まずは簿記2級に挑戦したくて税務会計学研究会に入りました。簿記の資格を取るにはうってつけのサークルで、共通した目標を持つ仲間との勉強が心地よかったです。サークルに入って簿記が楽しくなりましたし、簿記が分かると会計がわかり企業の様子がよくわかるのも面白かったです。その頃に公認会計士という資格も意識し出しました。」もともと数字が好きだった木戸さんと公認会計士という資格が巡り合った瞬間です。



公認会計士に向けた勉強の開始

 そんな木戸さんに更なる転機が。会計専門学校で簿記資格試験の点数を競うコンペがあり、木戸さんはそれに申込むと、簿記3級の試験結果で一位になります。優勝特典はその専門学校の受講料が割引になるとのことで、2019年6月専門学校に特待生として入校し公認会計士資格を取得すべくスタートしました。
 ここから専門学校と大学へ通うダブルスクールの生活が開始されます。これまで受験勉強や薬学部で培ってきた勉強に向き合う姿勢はここで遺憾なく発揮されます。専門学校には12~14時間いることもあり、成績は専門学校内で上位に位置しました。また受ける模試でも合格が見える範囲に徐々になっていくのに喜びを感じていたそうです。こうして迎えた2年後の2021年5月に一次試験(財務会計、管理会計、監査論、企業法)が実施され、合格します。「解答速報で自己採点したら受かっている、と思いました。」一次試験はとりあえず突破。
 そして、二次試験となる2021年8月に論文式試験が実施され、会計学(財務と管理)、監査論、企業法、租税法、統計学(選択)を選択し、11月に正式な合格通知を得ます。「受けたときは五分五分だと思いました。専門学校の先生からは自他ともに受かっていると強く思わせて、思え。と言われていましたが、「自分だけが落ちている」と思ってました(笑)。」

龍谷大学に入学するまで知らなかった簿記
 「フレッシャーズゼミから基礎演習、演習とずっと教えてくれた加藤先生には自分が資格試験を受けていることを応援してくれて、色々と配慮してもらいました。感謝しています。もちろん、こんなわがままを許してくれた両親にも感謝です。」この12月からは監査法人で学生非常勤として働き始め、また公認会計士資格試験合格者が通う実務補習機関での実習が始まる木戸さんは更なる高みを目指します。「やり切った感じはありますが、晴れ晴れとした感じではありません。取らなければという使命感がありました。薬学をやめたけど、その時の同期に頑張った成果を見せたかった。今はそれができた自信はあります。これからも勉強して、将来はコンサルタント、アドバイザリーになりたいです。」
 木戸さんは龍谷大学に入るまでは簿記すら知らなかったと言いますが、導かれるように公認会計士と出会い、合格に至るだけの勉強習慣を持っていた彼の話を聞けば聞くほど、2年での合格が必然だったことがわかります。



最後に

 難関試験に挑む学生に良いヒントをいただきました。「スマートフォンの勉強時間を記録してくれるアプリがあります。しかもゲーム要素があり、自分の戦闘能力といった表現をしてくれ、自信に繋がりました。」万人向けではないかもしれませんが、ゲーム好きのみなさんいかがでしょうか。
 龍谷大学生に一言メッセージをいただきました。「自分でもよくわかっていませんが、第6感というものを信じるようになりました。今、龍谷に入ったほうがよい、今サークルに入ったほうがよい、今会計士を目指すなど、自分の感性に従ってきましたが、意外に正しいことが多いと思っています。こうやって将来も導いてくれると思っています。」勉強し続ける木戸さんだからこそ、感じ取れる第6感なのかもしれません。みなさんも自分の感覚を探して大切にするといいことがあるかもしれませんね。木戸さんの益々の活躍が期待されます。
                                 以上