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2021.12.16

ワークルール教育の一環で「労働組合の可能性」について学びました

 経営学部の専攻基礎科目の一つである「現代社会と企業」では、ワークルール教育を位置付けています。その一環で、今年度も民放労連京都放送労働組合の古住公義副委員長にご講演いただきました(12月13日と16日)。
 京都放送労働組合に講演をお願いしているのは、①京都放送の再建において労働組合が大きな(中心的な)役割を果たした、②非正規雇用の正規雇用化の取り組みにおいて先進的な(全国的に見て稀有な)取り組みを進めている、という二つの理由からです。
 ほとんどの受講生が「労働組合」という言葉を知っていると思われますが、その内容についてはよく分からないという場合が多いと考えて、古住さんのお話を通して「労働組合の可能性」について学んでほしいと願って、例年、講演いただいています。
 古住さんは、京都放送労働組合の具体的活動として、生活と職場を守る、KBS京都の健全な発展をめざす、格差是正の闘い、組織拡大(働く仲間の参加促す)、市民との共同の取り組み、平和と民主主義の擁護の6点をあげられました。コロナ禍で取り組んでいる取り組みについても紹介されました。続いて、KBS京都再建、格差是正の取り組みについて詳しくお話しいただきました。
 受講した学生たちの感想のいくつを以下に紹介します。

京都放送の再建は京都市民の方々の協力が大きかった、というのが印象的で、信頼やつながりが大事なんだなと感じました。また、京都放送再建において、1人も解雇者を出さなかったということが、本当に素晴らしいことだなと思いました。
講演を聴いて、このような労働組合がもっと増えて欲しいと思いますし、労働組合について詳しく知ろうと思うきっかけになりました。
この度は貴重なお話ありがとうございました。

今回の講演で1番驚いたことは、京都放送労働組合に学生スタッフが属しているということです。その人物達は、私と同じようにアルバイトとしてこのような組織に属していて、将来のことを考えてアルバイトを選んだ意思のある方々達なのであろうなと思いました。自分は何も考えず家が近いからという理由でアルバイトを選んだことを少し後悔しました。
この組合が全国から注目されている理由は、決してこの組合が素晴らしいことをしているのではなく他が当たり前のことをできていないという言葉が、確かにそうなのかもしれないと、とても説得力を感じました。

今回労働組合がどういった取り組みを行っているのか、という具体的な事例を直接お聞きする貴重な機会を頂けたことに感謝します。特にKBS京都という地元が京都の私にとっては、馴染み深い放送局の歴史と関連した内容だったので、大変興味深かったです。KBS京都再建闘争では組合員だけでなく、多くの市民の支援が力になったということを聞いて、一人一人の労働に関する興味関心が何よりも力になると感じました。
本日はありがとうございました。



 労働組合は日本国憲法と法律で保障されており、「まともな働き方」を実現するために不可欠な存在です。しかし、就職までにその存在や内容について知る機会は十分でありませんし、メディア等を通じて知る労働組合の活動は肯定的なものばかりではありません。実際の労働組合が問題を抱えていることも事実です。このようなことを含めて講義では学生たちに伝えたうえで、古住さんには講演していただきました。学生たちの卒業後にこの講演がいくらかでも役に立つことを期待したいと思います。