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2022.01.06

第29回CrimRC(犯罪学研究センター)公開研究会を開催【犯罪学研究センター】

〔鼎談〕刑務所で再犯防止はできるか?〜刑務所出所10年の苦難と希望、そして、これからの道のり〜

2021年12月18日11:00より龍谷大学犯罪学研究センターは、第29回CrimRC(犯罪学研究センター)公開研究会「〔鼎談〕刑務所で再犯防止はできるか?〜刑務所出所10年の苦難と希望、そして、これからの道のり〜」を龍谷大学深草キャンパスとオンラインのハイブリッド方式で開催しました。深草キャンパスでは約30名、オンラインでは約100名が参加しました。
【イベント情報:https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-9547.html
主催:犯罪学研究センター | 協力:一般社団法人 刑事司法未来


本企画は「前科3犯、受刑歴約20年の人が刑務所生活や社会復帰後の生活の中で自分をどのように変え、土台をどのように築き、他の受刑者のために行動できたのか、そしてこれからの歩みをどのように考えているのか?そのことを法学部教授と法務省矯正局幹部が問う」という企画です。司会は森久智江教授(立命館大学法学部)、登壇者は五十嵐弘志氏(NPO法人マザーハウス理事長)、中島学氏(法務省札幌矯正管区長)、石塚伸一教授(本学法学部、犯罪学研究センター長)でした。


鼎談の様子

鼎談の様子


喧嘩の10年:出所者・受刑者の社会復帰支援                            
森久智江教授 早速ですが、五十嵐さんから話題提供ということで、この10年間の経験についてお話しいただきたいと思います。
五十嵐弘志氏 刑務所を出所してからの10年間で苦しかったのは、社会、特に行政官庁が当事者の声をなかなか受け入れてくれなかったことです。平成23年12月30日の出所後まもなく、受刑者と出所者の社会復帰を支援するNPO法人を作ろうとしました。しかしNPO法人の役員の欠格事由として「禁固以上の刑に処せられ、その執行の終わった日又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者」という規定があり、申請を取り下げることにしました。そのため、まずは他の人を理事長にして申請し直そうとしていることを、身元引受人の弁護士に相談したところ、「当事者のお前がやるから意義があるんだ。なんで逃げるんだ」と大変怒られました。そのことがあって、平成24年4月8日、まずは任意団体として「マザーハウス」を立ち上げました。4月8日はキリスト教の復活祭の日であり、自分も復活するんだという思いから、この日を設立日に選びました。10年の活動の中の苦難として、法務省などの行政官庁との戦いがありました。この人たちを見返したい、自分たちも社会でやっていけるんだという思いで戦っていました。これまでは「喧嘩の10年」でした。たとえばあるとき、一人の出所者の生活保護の申請のために窓口へ付き添った際、職員から出所者に「あなたは何をやったんですか」と前科について尋ねられました。そんなことに答える義務はないと答えさせなかったところ、職員からは手続き上、知る必要があると言われました。その後、生活保護の申請に関する規定を調べたところ、そんな文言はどこにもありませんでした。そこで今後の職員の対応を変えてもらうよう、議員や法務省などに掛け合いました。しかし、このような対応は当事者や現場の人の混乱を招くだけであると気付きました。これからは「対話の10年」にしたいと思います。
石塚伸一教授 復活というのはキーワードですね。NPO法人理事の欠格事由のように、刑務所から出て来た人には、生まれ変わったといっても制限がある。更生というのは「甦る」という漢字に通じるように、復活して勉強して成長していくプロセスをもう一度経験していくことで、前に学び損ねたことを学び直すことです。それには時間がかかりますよね。
森久教授 それでは中島さん、いかがでしょうか。
中島学氏 10年を振り返ると刑事政策も変化しました。私は、矯正というのは、非行少年や犯罪をした人が社会に戻ったときに、社会の一員として社会の中で生活できるような支援を施設の中でやっていくことだと、基本的には考えています。そして昨日からの龍谷大学での講演会などで今回、いろいろな方と話をして、この矯正観に、「その人の立場で、その人らしく」という点が付け加わりました。それから五十嵐さんの発言にありました、「出所日が12月30日」だったということ。満期釈放による出所ですので日にちは変えられませんが、そこに施設の職員がどれだけ思いを重ねられるかと思いました。3年前に美祢社会復帰促進センターの所長としていくつかのプロジェクトを立ち上げたのですが、その中の一つが満期出所者への対策でした。この施設は出所後の環境が整っている受刑者が多く、ほとんどは仮釈放で出所しますが、まれに満期出所者がいます。満期出所となる要因はほとんどが仮釈放の直前になって、身元引受人側の事情で受け入れが困難になったということが多いです。そうなると満期出所者については、出所までの精神的なサポートが必要になりますし、出所後の支援も考える必要があります。12月30日に出所する場合、銀行も役所も閉まっていますから、更生保護施設に事前に受け入れを要請するなどの職員の対応も必要だと思います。五十嵐さんはそういう人たちの寂しさや悔しさが分かるからこそ、マザーハウスの仕事をされているのだと思います。更生して生き直そうとしている人たちの出鼻をくじかないよう、私たちは想像力をもつ必要があると思います。その人の立場で社会の一員として安定して生きていく環境をどれだけ整備していくか、ということが自分の中の課題だということがはっきりと分かりました。

森久教授 刑の執行が終わった後、施設が出所者にかかわる範囲は、限定されなくてはならない一方で、周囲に支援を求められない人が出所したときに、どうしようもなくなって犯罪をすれば刑務所に戻れるという発想になってしまうことがあります。そこに誰がどのようなかたちでかかわっていくかということはこの10年で議論になっているところですね。そこが司法と福祉の連携というところで出て来た対応だと思います。中島さんのお話に対して、五十嵐さん、いかがでしょうか。


森久智江教授(立命館大学法学部)

森久智江教授(立命館大学法学部)

刑務所で再犯防止は可能か                     
五十嵐氏 刑事施設収容者法が制定されてから、受刑者は一般の人との文通で社会とのつながりを得ることができるようになりました。私は多くの人と文通をしていたおかげで、出所後の支援者とつながることができました。一方で、私が出所直後に名古屋でホームレスの人たちの越冬支援をしていたとき、ホームレスの人の中に出所者がいました。社会に受け入れ先がなければ、ホームレスになったり再犯をして刑務所に戻ったりするようなことになるのだと思います。私には、良い刑務官との出会い、高齢受刑者の介護の経験から、多くの学びがありました。受刑者の中で本気で自分を見つめ直して更生について考えている人はとても少ないと思います。施設の中で自分を見つめ直せる環境が必要だと思います。
石塚教授 米国で最初に刑務所ができたとき、受刑者は終日、独居房にいる「フィラデルフィア制」がとられていました。一人で自分を見つめ直せるから良いシステムだろうと考えられていましたが、実際は拘禁反応など精神的な病が深まってしまう人が増えたそうです。そこで「オーバーン制」という、昼間は他の受刑者と働き、夜間は独居房に戻るというシステムになりました。大正のおわりから昭和のはじめころにかけて、日本の刑務所でもこのオーバーン制への変革が唱えられました。自分を見つめ直すという変化には、人との出会いが必要だと思います。人との出会いには確かに楽しいことだけではなく、悔しいこと、煩わしいこともあると思いますが、そういう練習が必要です。五十嵐さんは刑務所の中でそういう練習ができて甦ってきたんだなと思います。五十嵐さん、楽しいことはありましたか。
五十嵐氏 ありました。身元引受人の方が本を送ってくれたので、たくさんの本が読めました。特に心を打たれたのは、ハワード・ゼアさんの修復的司法に関する本です。その本の中には被害者の体験がたくさん書いてあって、自分もこういうことをしてきたんだなという学びがありました。それで被害者の立場にある人と文通がしたいと考えるようになり、当時の文通仲間の紹介で、犯罪被害者のお母さんと文通をすることになりました。私は当時「償い」について考えてはいましたが、実際に何をしていいのか分からず、ただ被害者になんでもいいから「ごめんなさい」と言えば通じるのではないかと思っていました。しかしそれは大きな間違いだということが、そのお母さんの手紙で分かりました。頭をハンマーで殴られたような衝撃でした。そのお母さんの「それは誰の気持ちですか。あなたは謝れば済むと思ってるけれど、被害者はそうではないんですよ」という言葉で初めて私は、被害者の気持ちが第一だということを学びました。ここで学ばなければ、被害者がどう考えているのか分からなかったと思います。このようにして被害者家族と文通をしましたが、待っているだけではだめだと思います。自分からアクションを起こすことで、いろいろな人と文通を通して出会うことができたと思います。
森久教授 修復的司法(Restorative Justice)は、犯罪についての解決は刑が執行されることで終わるのではなく、被害者、加害者、社会の中で問題となった状況をどういうふうに解決していくか、紛争は本来、私たち市民の間にあるものだという考え方ですね。中島さん、いかがでしょうか。
中島氏 今日のテーマである「刑務所で再犯防止は可能か」ということですが、五十嵐さんの体験を聞けば聞くほど、どういうかたちで一人ひとりがご自身と向き合うか、もしくはそれを支えてくれる人と出会えるかについて考えさせられます。文通などの制度をつくるというのはひとつの方法ですが、民間のボランティアの方とのかかわりも非常に重要だと思います。制度にしてしまうとある種の義務が生じてしまいますが、そうではなくて、塀の中の人と繋がりたいと思う人をどのようにジョイントしていけばいいかと考えながら聞いていました。施設内でいろいろなプログラムをやっても、五十嵐さんの変化のきっかけは本や人との出会いでした。多くのプログラムが施設内で実施されていますが、ただ実施するだけで、施設の中で「責任を果たす」というか、「やってる感」を出すだけのこともあるように思います。プログラムが一人ひとりの中に本当に届いているのか、本人の「生きづらさ」を解消、解決するのに繋がっているのか。社会の中に戻る時の手がかり、足がかりを本人たちに提示しているのか。決してプログラムが必要ないと言っているわけではありません。いまはプログラムだけを優先しがちですが、社会に戻るときの手がかりの提供のほうが実は重要で、それが欠けているのではないかと考えています。


中島学氏(法務省札幌矯正管区長)

中島学氏(法務省札幌矯正管区長)


写真左:五十嵐弘志氏(NPO法人マザーハウス理事長)/右:石塚伸一教授(本学法学部、犯罪学研究センター長)

写真左:五十嵐弘志氏(NPO法人マザーハウス理事長)/右:石塚伸一教授(本学法学部、犯罪学研究センター長)

塀の中の孤独,塀の外の孤独                               
五十嵐氏 刑務所って孤独だなと思います。自分の弱さを見せると同室の人にいじめられたりするので、弱さを見せることができません。孤独を解消するのは、「社会」だと思います。社会の目があって、社会と繋がりがあると、自分の悩みを社会の人が聞いてくれたり、ヒントをくれたりします。自分が知りたい情報を社会の人たちが教えてくれて、そこでコミュニケーションが生まれます。その中で自分が生きているんだな、生かされているんだなということが学べるのではないかと思います。難しいとは思いますが、刑務所の壁を低くして、社会の人が刑務所をよく見ることができるようにしておけばいいと思います。また社会の人でも刑務所の中の人にかかわりたいと思っていても、方法が分からない人がたくさんいると思います。当事者は自分の苦しさや辛さを社会にアピールしないと、社会の人は分かりません。「助けてほしい」と声を上げることは恥ずかしいことではなく、それよりも問題なのは、声を上げられずにまた刑務所に戻ってしまうことだと思います。
石塚教授 五十嵐さんは刑務所は孤独だとおっしゃいましたが、外の人もみんな孤独なのではないでしょうか。今は新型コロナ肺炎の流行でみんながマスクをして能面のような顔で歩いています。外の人はもっと外を楽しくしなければいけないと思いました。
中島氏 少年院って楽なところだと思われているかもしれませんが、コロナ禍によって、世間の人たちも行動の制限があることのストレスを体験することで理解がすすんだのかなと思います。それから五十嵐さんのお話で、塀の中にいるときの孤独をどのようにサポートできるか、塀の高さをどういうふうに下げていけるか、ということを考えました。これからは矯正施設が、ある種の社会資源として、「あそこに行けば孤独や生きづらさについてのなんらかの解決があるんだ」という場になっていけるのではないかと思います。そのためには、社会の人がどんどん中に入っていただく。そして塀の中の作業も、たとえば民芸の伝承をするとか、社会に繋がるようなものになればいいと思います。受刑者が塀の中の自分の作業が社会の中でどういう意味があるのかを認識し、社会の人も塀の中の人たちの作業を知ることで交流が生じるような刑務作業をこれから充実させていく必要があると思います。これまでは刑務作業を「有用作業」という言い方をしていて、それは「本人のため」ということでしたが、これからは社会との関係性を相互に持てるようなアプローチにしていく。刑務作業をそういう視点からとらえ直すと、いろいろなことが社会から塀の中に入っていくと思います。そして孤独への対応にしても、グループワークを行う際に、民間の協力者も入ってもらうとか、いろいろなアプローチがあると思います。また、刑務所では参観もインターンシップもやっています。そういうところで民間の人の素朴な疑問を置いて行ってもらって、私たち職員がそれを回収して、社会の人たちのニーズにもこたえる施設づくりをしていく、というシフトチェンジが少しずつすすんでいると思います。今後10年も、見守っていきたいと思います。
五十嵐氏 お話をうかがって、キーポイントは「社会」だと思いました。今は社会の人が犯罪や刑務所の問題に無関心すぎると思います。一方、再犯防止推進法が制定されたことで、行政の中で対応してくれる場所ができました。これまではたらい回しでしたが、地方再犯防止推進計画書作成の担当部署のところに行って相談すると、行政機関も考えてくれるようになっています。ただ、支援法ができなかったのは残念です。社会の中で出所後の生活基盤をつくるための、期間を区切った支援も同時に必要だと思います。
石塚教授 刑務所で勉強して資格を取る、その資格の取り方って歪んでいると思います。社会の中で、資格を取るために学校に通うとすると、遊びに行って休んでしまったときに次に行きにくかったり、謝ったりするという体験をしていくことで自分を社会の中で位置付けるということがありますが、刑務所ではありません。それから刑務所の作業は出所後、給料の高い職業に就けるようなものにはなっていないと思います。そうすると将来展望が持てない。これからは夢を持てるような資格や勉強も必要だと思います。本を読むだけでなく、社会の中で一つひとつ失敗を学んで行って、失敗するチャンスをみんなが持てるようになればいいと思います。そして失敗ができるだけ大きくならないようにすることが必要だと思います。

質疑応答                                   
森久教授 ここからは参加者との質疑に移ります。まず「年末年始の出所者への対応はある程度、更生保護施設でとられているのではないですか」というご質問です。
中島氏 制度的にはありますが、それが個別具体的に機能しているかどうかは別の問題です。事前に調整して交渉することもあります。
五十嵐氏 実際、土曜日に出所した人が泊まるところがない、ということもありました。
森久教授 制度上ではないところで柔軟に行われていることもあるかもしれませんが、本当はフォーマルなところで対応していく必要があると思います。つぎに「刑務作業で製作されている物を展示・販売するCAPICがありますが、子どもたちの壊れたおもちゃを修繕していただくような作業は社会との繋がりを持てる機会になるのではないでしょうか」というご提案です。
中島氏 良いアイデアだと思います。具現化できるように動いていきます。

森久教授 つぎに「心理職の立場から申しますと、刑事施設の中ではカウンセリングのシステムが機能していないのか、定着しないのか。現場の受刑者からもカウンセリングのニーズは増えているように思います」というご質問です。個人的なカウンセリングは難しい状況なのでしょうか。
中島氏 ご本人のニーズを施設側が把握して、必要度をどれだけ判断するかですね。それからマンパワーがありますので、制度的にどうしていくのかということかと思います。
石塚教授 特定の人のカウンセリングを受けたいという場合、どうすればカウンセリングを受けられるのでしょうか。
中島氏 それだと面会ですかね。その場合、パネル越しで刑務官も立ち会うことになります。施設側からオファーがあって呼ぶのであればやりやすいのですが、受刑者が特定の人を指定する場合、問題ないと判断されれば面会はできますが、パネルも刑務官もなしでの面接は難しいと思います。
五十嵐氏 個人教誨はどうですか。
中島氏 作業を休むための、ある種のサボタージュで面会や教誨を使う受刑者も中にはいます。また「働き方改革」で、たとえば夜に教誨をするとなると、夜間の職員の配置をつけなければならず、人手が足りないというのがあります。だからといってそれを言い訳にするのではなく、ニーズを把握して必要な人に面接やカウンセリング、教誨を受けてもらうというのは非常に重要だと思っています。施設内での対話やリフレクティング、グループワークを充実、強化していく流れではありますので、そこに現場のマンパワーをどう乗せていくかが今後の課題です。
石塚教授 収容者が減っている今がチャンスだと思います。実験的にやっていくことでそれを制度に育てていく、ということですね。
中島氏 リフレクティングや当事者研究も進んでいて、「処遇困難」とされている受刑者も工場に出て、社会復帰ができるだけ円滑にできるように本人の声が発せられるような取組みも徐々にはじまっています。 
石塚教授 旭川刑務所は今、全員独居房ですね。これは建て替えの際、職員にアンケートをとったところ、全部独居にしてほしいというのがあったそうです。受刑者のストレスも職員のストレスもなくなったということで、環境づくりは大事ですね。
森久教授 五十嵐さんのお話にもありましたが、刑務所は孤独だということで、受刑者だけでなく、職員さんも孤独なのではないでしょうか。少しずつ施設の中でも困っていることがオープンになって、社会の側でも孤独な部分があって、受刑者や職員の孤独と呼応する部分があると思います。そこを開いて行くのは施設や職員さんの役割で、社会の私たちとの交流ができていくのかなと思います。最後に「コロナ禍で以前はできていた施設の中で一緒にご飯を食べるということができなくなった」というコメントがありました。コミュニケーションの方法を考えていくことで孤独解消のための打開策を考えていく方法があるのではないかと思いますが、中島さん、いかがでしょうか。
中島氏 テレビ電話、電話面会を今まで以上に対応していくというのがあると思います。また、今のお話を聞いていて、施設の中の孤独というコールを、社会から何らかのレスポンスというかたちで返していただく必要があると思います。

森久教授 最後に五十嵐さん、一言お願いいたします。
五十嵐氏 社会の人たちにお願いしたいことがあります。それは自分の目の前に社会復帰をした人たちが来たときに、この人を犯罪者、元受刑者という見方をするのか、あるいは私と同じ人間であるという見方をするのかによって、全く違うと思います。これから皆さんと一緒に社会と生きていくわけですから、同じ人間なんだと見てもらいたいと思います。自分自身のこれから10年の夢は、刑務所に行って、「自分たちはこういう方法で新しい道を歩んでいるんだ」というそれぞれの体験を受刑者に話すことです。
森久教授 刑務所も社会の中にある一つの施設ですので、そこにいる人たちも当然、社会の一員だということを私たちも受け止めて、改めて考える必要があると思います。それでは閉会のあいさつを石塚先生、お願いします。
石塚教授 本日はありがとうございました。