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2022.02.07

国際学部の清水教授、平塚准教授がイギリスの大手出版社Routledgeから著書を出版【国際学部・研究部】

この度、国際学部の清水教授、平塚准教授がイギリスの大手出版社Routledgeから著書を出版されました。

出版にあたっては、企画書と研究書が分野の専門家の評価(ピア・レビュー)を受け、
さらにRoutledge社の企画会議で採択される必要があります。
同社は、人文科学・社会科学分野の学術書、ジャーナル、オンライン文献を扱うイギリスの大手出版社で、日本の研究者が著作を刊行するのは大変稀で素晴らしい研究業績です。


国際学部グローバルスタディーズ学科 清水 耕介 教授


国際学部グローバルスタディーズ学科 平塚 貴晶 准教授


以下、出版情報

【タイトル】
The Kyoto School and International Relations: Non-Western attempts for a new world order
【著者名】
清水耕介
【出版社】
Routledge
【出版日】
2022年3月11日
【紹介文】
予測不可能性と不確実性がキーワードとなった現代の国際関係学(IR)において、西洋的ではない視点からのアプローチに対する関心はこれまで以上に高まっている。本書は、「西洋」の「他者」に対する支配を超越しようとする京都学派の挑戦と、それが現代の「非西洋型国際関係理論」や「グローバルIR」の議論に対して提起する問題を探求する。京都学派の思想家たちの戦争協力は、軍政の専制によってもたらされたものであり、したがって彼らの哲学とは無関係なのか、それとも彼らの哲学の論理的延長線上にあるのか?本書は、個々の京都学派の哲学者を詳細に調査することで、この問いに答える。著者は、「西洋」を超越しようとする試みは、直線的時間という存在論的概念とウェストファリア体制という支配的なメタナラティブを無批判に採用し利用する限り、権力政治に引き込まれる運命にあることを論じる。そして、この問題を十分に理解するためには、IRにおける時間と空間がどのように言語という枠組みに埋め込まれているのかという点に特に注意する必要があると主張する。本書は、IR理論、日本政治、東アジアIR全般の学生や研究者を対象に、京都学派哲学の時間・空間概念とその言語についての分析を展開しながら、これらの学問分野の入門的な解説を行うものである。


【タイトル】
Narrative Inquiry into Language Teacher Identity: ALTs in the JET Program
【著者名】
平塚貴晶
【出版社】
Routledge
【出版日】
2022年3月15日
【紹介文】
JETプログラムは「語学指導等を行う外国青年招致事業」の略称で、総務省、外務省、文部科学省及び一般財団法人自治体国際化協会の下、1987年の開始以来75ヵ国から7万人以上の外国語指導助手(ALT)を招聘している。本書は、ALT、JETプログラム、そしてチームティーチングの研究において極めて画期的なものである。なぜなら本研究では、母国とは違う日本という独特の社会・文化環境の中で生活するALTのアイデンティティの全容を暴き、そのアイデンティティの構築過程を個々の視点から探っているからである。アイデンティティは個人の判断や決断を導き、願望や意欲も方向づけるため、言語教師の思考や行動、成長を理解する上で非常に重要な構成要素である。本研究のデータは22人にも及ぶ元ALTの参加者から集めた個人的ナラティブから成り立ち、著者はこれらのナラティブを通じて、今まで試みがなされてこなかったALTのアイデンティティの概念化を行っている。そのため、本書は現役ALT、元ALT、ALTを目指す方々に限らず、日本人英語教師(JTE)、教育委員会、日本政府、日本人英語学習者や地域の方々、更には他国のティームティーチングプログラムに関わる全ての人々に向けたものであり、実践的かつ現実的な提言が多々なされている。