はじめに

少子化に伴って大学が全入時代を迎える中、文教政策においても、国公立大学の法人化をはじめ、競争的な補助金制度の拡充や、構造改革特区による株式会社の学校経営参入等、規制緩和等による競争環境が促進され、大学間における競争は一層激しくなっています。また、社会構造や価値観などの多様化に伴い、高等教育機関の人材養成には多様化・高度化が求められるようになり、大学の社会的な役割も変化しつつあります。

このような環境の下、学校法人龍谷大学が設置する「龍谷大学」「龍谷大学短期大学部」においては、高等教育機関として今日の社会的要請に対応し、現代的諸課題に対応しうる人材を養成していくために、また学術文化の振興や科学技術の進展に寄与していくために、積極的に諸改革に取り組み、進化し続けていかなければなりません。龍谷大学及び龍谷大学短期大学部は、長期的な展望に基づいてこれらの使命を具現化していくために、第4次長期計画を策定しています。本計画は平成12年～21年の10カ年の基本計画であり、本学がめざす大学像を「共生をめざすグローカル大学」とし、「個性化」「多様化」「高度化」「流動化」をキーワードとしながら、教育・研究・エクステンションなどの事業を展開していくこととしています。

本学ではこの間、この基本計画に基づき、社会的要請に対応した諸事業を実施してきました。特に、新学科・専門職大学院の設置やカリキュラム改革など、教育の充実を重点的に進めながら、各種研究事業やエクステンション事業の充実等においても新たな取り組みを積み重ね、一定の成果を上げてきました。また、これらの多様な取り組みを支えるべく、「教学創造こそ財政」の認識に立ちつつ、財政基盤の確立にも努めてきました。

平成18年度は、第4次長期計画における後半期の2年目にあたり、第4次長期計画前半期に取り組んだ各種事業の総括を踏まえて、それらの事業展開から得ることができた成果等を基盤としながら、既存事業の充実はもちろんのこと、「教学充実」「大学院充実・拡充」「海外展開」「国内展開」「情報化推進」「研究高度化」「エクステンション充実」などの諸課題に対して、積極的に取り組んでいきます。