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2018.12.28

龍谷大学 刑事政策公開授業「京都で薬物問題を考える」を開催【犯罪学研究センター】

薬物問題の現状と課題について刑事政策の観点から考える

2018年12月26日(13:15-14:45)、龍谷大学 犯罪学研究センター(Criminology Research Center) センター長の石塚伸一教授が「刑事政策」に関する公開授業を行い、学生・一般の方を合わせて、約250名の来場がありました。
【イベント概要>>】https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-2931.html


写真:石塚伸一教授/会場:深草キャンパス 紫光館4階 法廷教室

写真:石塚伸一教授/会場:深草キャンパス 紫光館4階 法廷教室


以下、今回の企画趣旨・当日のようすを紹介します。
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龍谷大学 刑事政策公開授業
「京都で薬物問題を考える。〜薬物依存からの回復と地域社会〜


1. 企画の趣旨・目的
 薬物依存からの回復については、DARCなどの民間団体が大きな役割を果たしている。当事者の回復のためには、家族や地域社会の支援が不可欠であるところ、回復施設ができるとなると家族との関係が不仲になったり、地域の人たちは不安を抱き、排除されたりすることも少なくない。
 そこで、本企画は、回復支援に携わってきたプログラム・コーディネーターをお招きし、薬物問題の現状と課題について刑事政策の観点から考えることとした。

2. レポート
まず、龍谷大学 法学部・石塚伸一教授より、我が国における薬物問題に対する刑事政策の沿革についての講義があった。我が国において覚せい剤が蔓延することとなった契機、各時代の流行と刑事政策の沿革について学んだ。
 続いて、木津川ダルク・加藤武士氏より、薬物問題の現状について講義があった。メディアを通して知る依存症者の姿、「ダメ絶対」教育で知る依存症者の姿が排除という現象を起こしているのではないかという指摘の元、薬物問題と地域社会との問題と適切な政策について学んだ。
 最後に、三重ダルク・市川岳仁氏より、問題解決に必要なものについて講義があった。問題解決のためにはつながりが必要であり、それぞれの人が経験した背後にある物語を理解する必要があるのだということを学んだ。
 講義の後には、会場からの質疑応答の時間が設けられた。特に印象深かったものは、「今日の講義は回復支援の必要性ばかりを強調していたが、厳罰化も必要ではないのか。」との学生からの意見であった。この意見を受けて、依存症には様々な問題が関係しており、厳罰化する事で決して解決しない問題であるということを、登壇者と会場の皆さんとで議論した時間は有意義な時間となった。


文責:RISTEX研究開発事業・リサーチ・アシスタント(RA)山口 裕貴
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木津川ダルク・加藤武士氏

木津川ダルク・加藤武士氏


三重ダルク・市川岳仁氏

三重ダルク・市川岳仁氏

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