アウン・サン・スー・チー氏名誉学位記授与式・講演会での式辞

2013年4月15日

本日ここにアウン・サン・スー・チー氏をお迎えできますことは、浄土真宗の精神を建学の精神にかかげ、多文化共生キャンパスを標榜する龍谷大学にとって名誉なことであり、喜ばしいことであります。ご来学に際し、心より歓迎とお礼を申しあげます。

さて、アウン・サン・スー・チー氏は元本学経済学部 大津 定美(おおつ さだよし)教授ならびに元本学兼任講師 大津 典子(おおつ のりこ)ご夫妻と家族ぐるみで長年にわたり親交を深められていました。そのご縁でアウン・サン・スー・チー氏が1985年9月から1986年3月までの京都滞在時に、しばしば本学を訪問され、大津教授をはじめ多くの教員と交流を深められました。また亡くなられた夫であるマイクル・アリス氏は著名なチベット学者でありますが、1995年2月に本学や西本願寺を訪問されました。本学訪問時には、マイクル・アリス氏の著書『レーブン・クラウン-ブータンにおける仏教君主制の起源』の紹介を兼ねた特別講義を行って頂きました。その特別講義には、チベット研究者や人類学者、仏教学者など大勢の専門家が集まりました。

このようにアウン・サン・スー・チー氏とは深いご縁を頂いている本学であることを改めて認識しております。

アウン・サン・スー・チー氏は、不屈の精神でミャンマーの未来に希望を持ち、長年にわたり非暴力による民主化運動の指導者として果たされた偉大な役割とともに、世界平和の構築に取り組んでいる人びとを勇気づけた功績は多大であります。この度の来日に伴い本学を訪問される機に、龍谷大学名誉博士の称号を贈呈することとなりました。

なお、本日はミャンマーのお正月でもあります。パダウに似た黄色い花を飾りアウン・サン・スー・チー氏をお迎えすることといたしました。これからの名誉博士の贈呈、記念講演をみなさまとともに貴重な時間として過ごして参りたいと思います。

本日は多くの皆様にご参集いただいたこと、またアウン・サン・スー・チー氏におかれましては、多忙な中、本学にお越し頂きましたこと重ねてお礼を申しあげ、式辞といたします。

2013(平成25)年4月15日

龍谷大学学長 赤松 徹眞

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