龍谷大学

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学長挨拶

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学長 赤松 徹眞

龍谷大学の歴史は1639年に西本願寺境内に設けられた教育機関「学寮」に始まります。以来、親鸞聖人のご生涯に学び、その生き方を指針とした教育・研究の灯火を絶やすことなく受け継ぎ、発展・深化させ、2009年には創立370周年を迎えました。その長い歴史の中で培われてきたのは、進取を尊ぶ伝統であり、本学ならではの滋味溢れる個性、そして誇りうる知力です。こうした龍谷大学の歴史は、つまるところ親鸞聖人の精神の具現化と諸学術の創造と振興の歴史であります。

さて、深草学舎顕真館の壇上正面には親鸞聖人が84歳の時にしたためられた南無阿弥陀仏の名号が刻まれています。阿弥陀仏の「阿弥陀」は、梵語で「無量光」を意味するアミターバ、および「無量寿」を意味するアミターユスの音写です。「南無」は、梵語で帰依し、信順するを意味するナマスの音写です。つまり無量の光明(知恵)と寿命(慈悲)という私どもの思議を超えたはたらきに帰依し、信順するという意味です。このことから、私たちは、〈私〉というものの実体化や、我執や自己中心的な愛を根源的に問い直し、すべてのいのちを大切にした生き方を開いていくことに、普遍的な意味を見出しながら、龍谷大学は長きにわたって豊かなよき伝統を築いてきたといえましょう。また、社会の学術上の諸課題にも進取の精神のもと積極的に取り組み、高度な学術研究を推し進め、その成果を社会に、そして世界に発信しつつ歩んできました。

4月には、新たに政策学部および大学院政策学研究科、短期大学部こども教育学科を開設し、8学部、9研究科、1専門職大学院、1短期大学部、4付置研究所を擁する、約2万人の学生が学ぶ総合大学へとさらに成長いたしました。4月5日には、仏教に関する本格的な総合博物館としては日本初となる「龍谷ミュージアム」を開館するなど、つねに本学ならではの特色ある教育・研究活動のいっそうの発展と充実を図ってきているところです。さらに、2012年4月には、文学部に臨床心理学科、大学院文学研究科に臨床心理学専攻の開設にむけて、準備を進めております。

近年の諸学術研究のめざましい発展は、学術の専門化・細分化とともに知識量の飛躍的な拡大をもたらしています。このような時代だからこそ、人間・科学・宗教などの学問領域が相互に連携する学際的な研究、さらには知の体系や構造全体を視野に入れた研究の重要性が増しています。また、進展するグローバリゼーションにともなう世界情勢の流動化、科学技術の飛躍的発展、さらに国際政治の激動の時代を迎えている今日、高等教育機関としての大学に対する期待は、いっそう高まっています。

そうした中で、国際性をも視野に入れながら、建学の精神を体現する確かな知の担い手を育成するとともに、多様で高度な学術研究を展開し、社会に貢献してきた龍谷大学だからこそ果たすべき使命、あるいは果たしうる役割もまた、これまで以上に大きくなっていると思われます。

このような状況を鑑みつつ、本学では2010年度から第5次長期計画に基づくさまざまな取り組みを開始いたしました。2011年度はその前半にあたる第1期中期計画の2年目で、いよいよ重点課題の本格的な審議が始まるとともに、諸計画を具体的に実施する段階へと進むことになります。

まず、これまで以上に教育を重視した大学づくりをめざす龍谷大学として、全力で実現すべきは学生に対する総合的な支援です。そのためには、学生主体の学修体制の整備、学びの龍大スタイルの具現化、留学制度やキャリア開発・就職支援の充実、課外活動のサポート強化などの諸施策をすみやかに検討し、実施する必要があります。また、研究支援体制を整備し、研究成果の発信力を高めつつ、世界に誇りうる龍谷大学ならではの強みのある研究、あるいは仏教を基軸とした特色ある研究をいかに推進していくかも重要な課題です。さらに、本学が有する知的資源を社会へ還元し、地域に貢献するとともに、ボランティア活動や環境問題への取り組みなどを通じて、地域と協働する大学づくりを進めていかなければなりません。その他、多岐にわたる検討が必要でしょう。

私たちが取り組むべき課題は多く、そのいずれもが決して簡単に解決できるものではありません。また、本学を取り巻く環境がいっそう厳しくなっていることも事実です。しかし、だからこそそうした現状をしっかりと見据え、その上で十分に未来を見通し、時機を見逃さずに果敢に諸課題に取り組みうるような、柔軟で創発的な運営が必要だと考えます。そのためにも、学生、教員、職員等の大学構成員全員が共通の目的意識や情報を持ち、それぞれの立場で能力を存分に発揮しながら、連携して大学づくりを進めていくことが求められています。

私は学長として「対話のある大学運営」を丁寧に行いつつ諸課題に真摯に取り組むとともに、リーダーシップを発揮して必要な事業を着実に実行していきたいと考えています。そして、龍谷大学の未来を、さらに日本及び世界の未来を切り開く有為の人間を育成するために、豊かな知性と活気に溢れる大学づくりに邁進してまいります。

皆さんのご協力を賜りますようお願い申しあげます。

2011(平成23)年4月1日
龍谷大学長 赤松 徹眞

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