Need Help?

News

ニュース

2022.02.14

アグリSDGs京都プロジェクト、学生制作動画が『第3回SDGs CREATIVE AWARD』でANA賞を受賞【農学部】

 農学部「アグリSDGs京都プロジェクト」において、広瀬真慧さん(食料農業システム学科4年生)が主となり作り上げた動画作品が、株式会社TREE(神奈川県鎌倉市)が主宰する「第3回 SDGs CREATIVE AWARD」でANA賞を受賞しました。ANA賞を受賞した動画作品は、ANA国際線及び国内線におけるSDGsチャネルで機内上映されます。授賞式は、2022年1月29日(土)、オンラインで行われました。

 

 2022年2月14日(月)、本プロジェクトにご協力いただいた中東久雄氏をお招きし、成就館ライブシアターにおいて、鑑賞会を開催しました。本プロジェクトの講師であるNHK番組プロデューサーの神部恭久氏が、受賞作品に向けて、ブラッシュアップしていく思考過程を解説するほか、他の学生たちが制作した動画も中東氏にご覧いただき、コメントをいただきました。入澤学長にもご参加いただき、受賞作品へのコメントと、表彰状の授与がおこなわれました。

 

 龍谷大学農学部では、2020年度に正課外活動として、アグリSDGs京都プロジェクト「映像(え)が伝わるとは何か」を立ち上げました。本プロジェクトは、京都の摘み草料理人である草喰「なかひがし」の主人 中東久雄氏に着目し、京都大原でのフィールドワークを通じて、中東氏が持つ食に対する世界観を学びつつ、様々な意見交換を通じて、次世代へつなぐ「農業と自然環境との関係」や「持続可能な食と農」について考え、映像を制作する取り組みです。農学部及び農学研究科の全学生対象で、2020年度は8名、2021年度は正課授業「農学部特別実習B」(担当:山﨑正幸教授、石原健吾教授)として、26名の学生が取り組みました。

 

<広瀬さんのコメント>

農学と映像、興味のあるものが同時に学べるまたとない機会でした。今回、AWARDに応募するにあたり、教えていただいた「伝える動画」や「動画が持つ力」を意識し、授業内で作成した動画を再編集しました。この度は、このような賞を受賞できて大変うれしいです。たくさん悩みましたが、とても良い作品になったと感じています。

 

<入澤学長のコメント>

受賞した広瀬さんの動画を見て、彼がこのプロジェクトでときめいた、ワクワクした、というのが伝わってきました。SDGsについては世間でもたくさん言われていますが、人間の意識と行動が伴わなければ、絵空事で終わってしまいます。今何をしないといけないのか、意識を向けている農学部生が増えてきていることを大変うれしく思います。

このプロジェクトでは、雑草に着目しています。雑草や雑用という言葉に使われる「雑」は、人の見方です。いらないものという意味で使われますが、本当はそれぞれ一つ一つに名前や意味があり、いらないものなど何もないのです。そういったことに気づくことができる貴重な機会だと思います。

食べることは生きていく上の基本であるけれども、雑草には今まで踏みつけてきて関心を向けてこなかったわけです。日常をいかに尊いと思うか、このプロジェクトは訴えるものがあると思います。

 

<中東氏のコメント>

私よりも50歳も若い学生のみなさんに、どういう立ち位置で話をしたら良いのか、こんな話でいいのかと不安でしたが、今日みなさんの動画作品を見て、伝わっていたと実感しました。若いみなさんの研究材料の突っかかりとなればと応援しています。料理人はいろんな職人がいて、食べるということにもいろんな捉え方があります。生から死の瞬間をどう感じるか、どう捉えるか。その瞬間に食材が訴えて来ることを感じることが大切なところで、明日への命・心へつないで、エネルギーの源になっていくこと。これが食と農の素晴らしいところです。

 

<神部氏のコメント>

自分が思っていること、伝えたいことがすべて相手に伝わることは、現実ではあまりないことです。いかにして動画で伝えるかが難しい。自然の山野草を活かした料理でミシュラン二つ星とグリーンスターを獲得している料理人の中東さんを通して「農」と「環境」について考え、自らの思考を「映像」で「表現」する実習教育として、今日は取材をさせてもらった中東さんに見てもらうことができ、動画から感じたことを聞くことができる。これは一つのメリットだと思います。農学を学ぶ学生は、生きるということに近い食と農について学んでいて、これらを学ぶことに価値があると思います。

 

<山﨑正幸教授・石原健吾教授のコメント>

「雑草がおいしい」という常識を揺るがす体験から生まれた興味を言葉にする、ということですが、映像にすることで、何が伝わり、何が伝わらないかを理解できたと思います。思考、自己分析、コミュニケーション、他者理解、表現、編集、ITといったこれからの社会で必要とされる力を本プロジェクトを通して身につけてもらいたいです。

 

■受賞作品

第3回SDGs CREATIVE AWARD  ANA賞  受賞作品

【第3回 ANA賞】草食べに行きませんか?〜アグリSDGs京都プロジェクト2020〜
広瀬  真慧  さん(農学部食料農業システム学科4年生)
 

■SDGs CREATIVE AWARD公式サイト: 第3回SDGsクリエイティブアワード

 

農学部特別実習B「アグリSDGs京都プロジェクト」シラバス

 

プレスリリース

 

(※)SDGs CREATIVE AWARD
世界が抱えている課題や地域での協働アクションをあらゆる方法で表現した動画作品の募集・表彰を通じて、SDGsに取り組む人々を支援する賞。SDGsをより多くの人に知ってもらうための取り組み。部門1(SDGs普及促進映像部門(60秒以内))と部門2(SDGsローカルアクション部門(180秒以内))に分かれている(本学は「部門2」で受賞)。株式会社TREE(神奈川県鎌倉市)主催。