2022.02.28
「私立大学研究ブランディング事業 最終報告書」を発行【犯罪学研究センター】
新時代の犯罪学創生プロジェクト 〜犯罪をめぐる「知」の融合とその体系化〜
2016(平成28年)年6月創設の犯罪学研究センターは、同年11月に文部科学省私立大学研究ブランディング事業に採択され、建学の精神に基づき「人に優しい犯罪学(Compassionate Criminology)」を本学のアピールポイントに創り上げることを目指してきました。
このたび、ブランディング事業6年間にわたる活動を総括した最終報告書を作成しました。ぜひPDFファイルを参照ください。
INDEX
0. 導入 …1
1. 研究部門 …5
2. 教育部門 …12
3. 龍谷大学犯罪学研究センターのテーゼ …14
4. 国際部門 …15
5. 総括 …17
関連資料 …21
0. 導入 …1
1. 研究部門 …5
2. 教育部門 …12
3. 龍谷大学犯罪学研究センターのテーゼ …14
4. 国際部門 …15
5. 総括 …17
関連資料 …21
総括より一部抜粋:
【研究部門〜学際的・学融的調査研究と研究組織〜】
研究部門においては、人間・社会・自然の3分野に9ユニットを配置し、これに学内公募の4ユニットが参加することで調査研究に「学際性」を持たせるとともに、犯罪と非行をめぐる現実的課題に実践的に取り組むことで、有機的連携を図り、学問領域を超えた「学融性」を実現することに努めた。
研究ユニットの構成については、国内外の研究機関、学術団体、国や自治体、当事者や支援者の団体、民間の企業などから参加があり、国内の社会学領域としては稀有なネットワークが構築されている。こうしたネットワークを基盤として国内の共同研究活動の活性化はもとより、個々の研究者を通じた海外の研究者招聘や学術交流など、国際的な展開へと広がっている。
【教育部門〜教学主体設置に向けた試みと若手人材育成〜】
教育部門の初期の目標は、新しい犯罪学のパラダイムを共有し、研究と教育と実証の循環システムを構築するための基盤となる「場(ステージ)」の創出であった。具体的には、犯罪学の教学主体(学部や大学院)の設置を構想するカリキュラムの構築や計画の立案、龍谷大学の正規科目として「龍谷犯罪学 英語授業」の開講、犯罪学的知見の市民への普及を企図した「模擬裁判」や「法教育フェスタ」などに挑戦した。また、共同研究を通じて得られた知見について、若手研究者の学会報告を奨励すると共に、論文を編著や共著として出版してきた。事業期間を通して、博士研究員や嘱託研究員などの若手研究者の中から、犯罪学・刑事政策関連の大学教員や高度職業専門人を複数輩出することができた。
しかしながら、学部構想については、海外にはクリミノロジーやクリミナル・ジャスティスを掲げた教学主体が数多くあるものの、日本では「犯罪学」の知名度が低く、「犯罪」や「刑罰」という言葉の持つ暗いイメージを乗り越えることができず、CrimRCの実績を一定評価している学内でも、学部設置に向けての関心を引くことができなかった。
【国際部門〜国際的知名度の向上とグローカルな展開〜】
国際部門においては、当初研究計画になかった「アジア犯罪学会 第12回年次大会(ACS2020)」の開催という画期的な事業に成功し、内外の専門領域における「龍谷犯罪学(RYUKOKU Criminology)」の知名度は確実に上昇した。現在も海外からの研究目的の滞在や留学の希望者が絶えず、海外の犯罪学関連の教学主体からの連携・協力の要請も少なくない。特筆すべき例として、英国・カーディフ大学(EUの教育助成プログラム「エラスムス・プラス」)やタイ・国立マヒドン大学(学術振興会二国間学術交流助成)など、正式な協定締結に至ったものがある。
龍谷大学では、地域社会と国際社会を直接につなぐ「グローカル(Glocal)」大学構想が提案されているが、いわゆる「再犯防止推進法」(2016年)の制定によって、犯罪や非行とその予防が自治体のタスクとされたことから、都道府県・市町村等の犯罪予防や再犯予防への関心が高まっている。京都府との再犯防止協定の締結や寝屋川市からの受託研究などは、今後の犯罪学研究の地域社会への貢献の先鞭となる事業である。世界を見据えながら地域経済・社会の持続的な発展に寄与できる人材の養成とその組織化は、この先の大学に強く期待される。
【研究部門〜学際的・学融的調査研究と研究組織〜】
研究部門においては、人間・社会・自然の3分野に9ユニットを配置し、これに学内公募の4ユニットが参加することで調査研究に「学際性」を持たせるとともに、犯罪と非行をめぐる現実的課題に実践的に取り組むことで、有機的連携を図り、学問領域を超えた「学融性」を実現することに努めた。
研究ユニットの構成については、国内外の研究機関、学術団体、国や自治体、当事者や支援者の団体、民間の企業などから参加があり、国内の社会学領域としては稀有なネットワークが構築されている。こうしたネットワークを基盤として国内の共同研究活動の活性化はもとより、個々の研究者を通じた海外の研究者招聘や学術交流など、国際的な展開へと広がっている。
【教育部門〜教学主体設置に向けた試みと若手人材育成〜】
教育部門の初期の目標は、新しい犯罪学のパラダイムを共有し、研究と教育と実証の循環システムを構築するための基盤となる「場(ステージ)」の創出であった。具体的には、犯罪学の教学主体(学部や大学院)の設置を構想するカリキュラムの構築や計画の立案、龍谷大学の正規科目として「龍谷犯罪学 英語授業」の開講、犯罪学的知見の市民への普及を企図した「模擬裁判」や「法教育フェスタ」などに挑戦した。また、共同研究を通じて得られた知見について、若手研究者の学会報告を奨励すると共に、論文を編著や共著として出版してきた。事業期間を通して、博士研究員や嘱託研究員などの若手研究者の中から、犯罪学・刑事政策関連の大学教員や高度職業専門人を複数輩出することができた。
しかしながら、学部構想については、海外にはクリミノロジーやクリミナル・ジャスティスを掲げた教学主体が数多くあるものの、日本では「犯罪学」の知名度が低く、「犯罪」や「刑罰」という言葉の持つ暗いイメージを乗り越えることができず、CrimRCの実績を一定評価している学内でも、学部設置に向けての関心を引くことができなかった。
【国際部門〜国際的知名度の向上とグローカルな展開〜】
国際部門においては、当初研究計画になかった「アジア犯罪学会 第12回年次大会(ACS2020)」の開催という画期的な事業に成功し、内外の専門領域における「龍谷犯罪学(RYUKOKU Criminology)」の知名度は確実に上昇した。現在も海外からの研究目的の滞在や留学の希望者が絶えず、海外の犯罪学関連の教学主体からの連携・協力の要請も少なくない。特筆すべき例として、英国・カーディフ大学(EUの教育助成プログラム「エラスムス・プラス」)やタイ・国立マヒドン大学(学術振興会二国間学術交流助成)など、正式な協定締結に至ったものがある。
龍谷大学では、地域社会と国際社会を直接につなぐ「グローカル(Glocal)」大学構想が提案されているが、いわゆる「再犯防止推進法」(2016年)の制定によって、犯罪や非行とその予防が自治体のタスクとされたことから、都道府県・市町村等の犯罪予防や再犯予防への関心が高まっている。京都府との再犯防止協定の締結や寝屋川市からの受託研究などは、今後の犯罪学研究の地域社会への貢献の先鞭となる事業である。世界を見据えながら地域経済・社会の持続的な発展に寄与できる人材の養成とその組織化は、この先の大学に強く期待される。
<2022年4月1日更新>
2022年3月5日(土)、龍谷大学犯罪学研究センターは、「犯罪学研究センターシンポジウム(私立大学研究ブランディング事業 最終報告会)」を龍谷大学深草キャンパスとYouTube配信にて開催しました。
当日のレポート記事と記録映像を下記ページで公開しています。最終報告書とあわせてご覧ください。
CrimRC(犯罪学研究センター)私立大学研究ブランディング事業 最終報告会【まとめ】