Need Help?

News

ニュース

2022.05.09

「刑罰体系の変更をめぐる諸問題」をテーマに公開研究会を開催 衆議院本会議で審議入りした刑法一部改正法案。法案が可決された場合、現行刑法制定以来、はじめて刑の種類が変更される。本研究会にて、今回の改正法案の背景とその問題について批判的に検討する < 5/13(金)18:00-19:30オンライン開催、Webから要事前登録 >

【本件のポイント】

  • 今回の刑法一部改正法案における「拘禁刑」の創設の問題について批判的に検討する研究会。同法案には、“社会復帰する主体は誰なのか”という視点が欠如
  • 法案提出の背景について、①近年の刑事政策に大きく影響を与えた法律(「再犯防止推進法」等)との関係、②刑罰制度をめぐる理論の変化、③国際的な潮流など多面的に検討
  • 矯正と更生保護の現場で働く実務家などを輩出してきた龍谷大学ならではの視点「人に優しい犯罪学」から、犯罪や非行をおかしてしまった人への支援に何が必要なのかを提示


【本件の概要】
 龍谷大学 犯罪学研究センター1)は、第 208 回国会に提出された「刑法の一部を改正する法律案(閣法57号)」における「拘禁刑」の創設について、批判的に検討する公開研究会を2022年5月13日(金)にオンラインで開催します。
 2022年3月8日に閣議決定し、現在開会中の第 208 回国会に提出された「刑法の一部を改正する法律案(閣法57号)」では、日本の刑罰を構成する「自由刑」(懲役刑・禁錮刑・拘留刑)の区分をなくし、「拘禁刑」として一つにまとめようと企図されています。
 同法案が可決されると、明治40(1907)年に制定された刑法典の刑罰体系が、根本から変わる重大な改正となります。これまで積み重ねられてきた自由刑をめぐる議論のみならず、矯正実務にも大きな影響を及ぼすことが予想されます。それにもかかわらず、同法案をめぐる議論は抱き合わせの「侮辱罪の重罰化」に集中し、「拘禁刑への単一化」の問題については、国会議員および国民の関心がきわめて低いのが現状です。このまま十分な審議のないまま同法案が成立するのではないかと刑事政策の専門家の間では憂慮の声があがっています。
 そんな中、石塚伸一教授(本学・法学部)を中心に「刑罰の基本政策の変更について慎重な審議を求める刑事政策学研究者の声明」を4月25日に衆議院法務委員会委員宛に提出しました。今回の研究会では、声明文を提出した意図などについて報告し、みなさんにその主張を正確に知っていただきたいと思います。


1.実施概要
- 名称: 第33回 犯罪学研究センター公開研究会
「刑事政策の転換をめぐる諸問題 〜刑の単一化論がもたらすインパクト」
- 日時:2022年5月13日(金)18:00-19:30
- 内容:※時間配分は、一部変更となる可能性があります
 企画の趣旨説明(5分)、法案提出の背景と審議状況について(10分)、
「拘禁刑」創設の問題点(45分)、ディスカッション(25分)、総括(5分)
- 会場:オンライン(配信元:龍谷大学 深草キャンパス)
- 参加費:無料 ※下記URLから事前登録制 - 定員:100名
- 主催:龍谷大学 犯罪学研究センター 
- キーワード:主体性, 自由刑の単一化, 再犯防止, 更生保護

2.詳細・申込方法
以下URLから詳細を確認のうえ、ページ内のフォームに必要事項を入力しお申込みください

https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-10393.html (申込期限:5/13(金)16:00)
※「刑罰の基本政策の変更について慎重な審議を求める刑事政策学研究者の声明」(2022年4月25日発表)の詳細は、上記ページ内にPDFファイルを掲載

3.主宰者紹介
石塚 伸一教授(龍谷大学法学部) 
専門は刑法・刑事政策・犯罪学。中央大学法学部を卒業後、同大学院法学研究科博士課程に進学。同課程退学後、非常勤講師を経て、北九州市立大学法学部講師。同学部助教授・教授を歴任。1998年に龍谷大学に移籍。法学部・法務研究科教授を経て現職。
現在、アジア犯罪学会常任理事・本学ATA-net研究センターのセンター長を務めるほか、2004年から第二東京弁護士会に所属し、刑事事件を中心に弁護士としても活動。日本の刑務所をめぐる課題について研究をすすめるかたわら、犯罪や非行をおかした人にどのような支援が必要であるかを積極的に発信しています。

4.用語解説
1)龍谷大学 犯罪学研究センター
「犯罪学」(英:Criminology)とは、犯罪にかかわる事項を科学的に解明し、犯罪対策に資することを目的とする学問です。同センターは、2016年6月に発足し、同年11月に文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」に採択されました。これまで建学の精神を具現化する事業として、犯罪予防と対人支援を基軸とする龍谷大学ならではの犯罪学の創生に向けた研究と社会実装活動を展開してきました。 

問い合わせ先:

 龍谷大学 犯罪学研究センター  Tel 075-645-2184 Fax 075-645-2240
 E-mail crimrc2016@ad.ryukoku.ac.jp   URL  https://crimrc.ryukoku.ac.jp/