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2022.11.01

湖北の観音文化に魅了された観音ガールに学ぶ【社会共生実習】

 社会学部の『社会共生実習(大学は社会共生に何ができるのか―文化財から“マネー”を創出する―)』(担当教員:社会学科 教授 髙田満彦)では、10/28(金)、本プロジェクトの1年目受講生を対象に、観音ガールこと對馬佳菜子氏(合同会社nagoriの代表社員/仏像・地域文化プロデューサー/観音の里コーディネーター/成安造形大学付属近江学研究所・客員研究員)に「観音ガールが行く―滋賀の歴史に恋をして―」と題してご講話いただきました。


對馬佳菜子氏

 本プロジェクトで對馬氏にご講話いただくのは、昨年に引き続き、今回で2回目となりますが(ご参照;第1回ご講話 )、對馬氏が15歳で東大寺法華堂の不空羂索観音立像に出会い仏像一筋となってから今日に至るまでの自分史について、お話くださいました。


ご講話の様子


聴講する学生の様子

 對馬氏のお話で感銘するのは、「仏像が好き」で終わらせるのではなく、好きだからこそ、それらを後世に受け継ぐために何かできることはないか、「実際に動いてみる」、その行動力です。
 現在、對馬氏が特に力を注いでおられるのは、美術館や博物館、大きなお寺にあるような誰もが知っている立派な仏像ではなく、人里離れた山奥にひっそり佇むお堂や地元民の集いの場となっている住職のいない無住寺院などにある仏像の保存です。
 その中でも、宗教宗義を問わず、地域で代々守り継がれてきた仏像を地域のみんなで大切にして、仏像と顔を合わせると「今日もよろしくお願いします」、帰るときには「今日も一日ありがとうございました」と手をあわせることが当たり前の習慣として根付いている、滋賀県の「湖北の観音文化」に驚き、魅了されたそうで、2020年にはそんな地域の無住寺院である「安念寺」を修復するための資金調達にも奔走され、クラウドファンディングでは342人の支援者が集まり、目標をはるかに超える金額を達成されました。


質疑応答の様子


質疑応答の様子

 本プロジェクトの受講生は、“文化財からマネーを創出する”というテーマのもと活動していますが、對馬氏のご講話のように、純粋に文化財を愛してそれを後世に伝えたいという熱い思いが大きな人脈の渦を作ってたくさんの人々を突き動かすことがあるという事例を知ることができ、非常に深い学びを得たのではないでしょうか。今後、それぞれがテーマにする文化財にもそうした熱い思いを持った方々がいるのだということを念頭に、より良い活動ができることを期待しています。


社会学部「社会共生実習」について、詳しくはこちらの【専用ページ】をご覧ください。