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2022.12.08

日本が失った天才プログラマー 刑事司法は「Winny事件」から何を学んだのか IT史に残る事件の弁護団メンバーが語る裁判事例 シリーズ勉強会「デジタル・フォレンジック鑑定と向き合うために」

第2回「コンピューター犯罪の裁判事例」
< 12/17(土)18:00-20:00  オンライン開催  Webから要事前登録>
登壇:遠山大輔 氏(京都弁護士会 弁護士)


【本件のポイント】

  • 法科学の一分野である「デジタル・フォレンジック1)」についてまなぶシリーズ勉強会。
  • 日本インターネット史に残る「Winny事件」。弁護団の一員として、7年がかりで無罪判決を勝ち取った遠山弁護士が語る、コンピューター犯罪の裁判事例。
  • 情報技術を用いた証拠資料の鑑定に関する知識を得るとともに、司法に適用する上でどのような理論的・実務的問題点があるかを考える機会に。


【本件の概要】
 2003年11月、P2P技術(端末同士によるネットワーク)を用いた革新的なファイル共有ソフト「Winny」を開発した金子勇さんが、著作権法違反の容疑で京都府警に自宅とパソコンを捜索されました。その理由は、ソフト利用者の一部が映画や音楽などのコンテンツを送信していたことから、違法ファイルをアップロードした利用者ではなく、ソフト開発者である金子さんが著作権法違反幇助の疑いで起訴されたのです。一審は罰金150万円の有罪、控訴審で逆転無罪となり、最高裁で2011年12月に無罪が確定しました。
 その後、金子さんは、ソフトウェアの研究・開発に従事していましたが、心臓の病で42歳という若さで2013年7月に急逝します。今やインターネット上のビジネスに欠かせないP2P技術の可能性を開拓した天才プログラマーの訴追から無罪判決までの時間、そしてあまりにも早い別れに、日本が失ったものは決して少なくありません。
 日本のIT史を語る上で欠くことのできない、いわゆる「Winny事件」において、講師の遠山氏は弁護団の一員として、7年がかりで無罪判決を勝ち取りました。第2回勉強会では、コンピュータやスマホなど情報機器を用いた犯罪について、これまでの裁判事例を広く紹介します。

1.実施概要
- 名    称:シリーズ勉強会「デジタル・フォレンジック鑑定と向き合うために」
- テーマ:第2回公開勉強会「コンピューター犯罪の裁判事例」
- 講 師:遠山大輔 氏(戸田・遠山法律事務所 弁護士)
- 日 時:2022年12月17日(土)18:00-20:00 ※2022年11月から月1回、全5回開催予定
- 会 場:オンライン(Zoom)
- 参加費:無料 ※下記URLから事前申込制
- 主    催:龍谷大学 犯罪学研究センター2)  - 司会進行:古川原明子 教授(本学法学部)

2.講師プロフィール・報告内容
遠山大輔(とおやま・だいすけ) 氏
戸田・遠山法律事務所 弁護士(京都弁護士会)
昭和49年熊本県八代市生まれ。平成13年京都大学法学部卒業。同年4月司法修習生(55期)。
平成14年10月弁護士登録(京都弁護士会)。
平成27年4月龍谷大学法科大学院教授。平成28年一般社団法人プレゼンテーション検定協会理事。

報告テーマ:「コンピューター犯罪の裁判事例」
コンピュータ犯罪について明確な定義はないが、主宰者から示された「コンピュータやスマホなど情報機器を用いた犯罪」という定義にしたがって、これまでの裁判事例を広く紹介する。

3.詳細・申込方法
以下URLにて詳細を確認のうえ、ページ内のフォームに必要事項を入力しお申込みください
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-11628.html
(第2回勉強会 申込期限:12/16(金)17:00)

4.次回以降の予定 ※時期や内容は変更することがあります。予めご了承ください。
-    2023年1月 第3回「デジタル・フォレンジック試料の証拠保全ガイドライン」講師:大橋充直氏(ヤエス第一法律事務所弁護士、NPOデジタル・フォレンジック研究会)
-    2023年2月 第4回「音声・話者認識の現状」講師 :柘植 覚 氏(大同大学情報学部教授)
-    2023年3月 第5回「デジタル・フォレンジック鑑定の証拠能力」講師:徳永 光 氏(獨協大学法学部教授)

5.用語解説
1)デジタル・フォレンジック
法科学の一分野で、主にコンピューター犯罪におけるデジタル証拠の収集・保存・解析を行うことを「デジタル・フォレンジック」と言います(日本語では「デジタル鑑識」と言うこともあります)。警察庁はインターネットが社会、経済上、普及した平成23年に「警察白書」でサイバー犯罪対策に関する特集を組んだり、サイバー犯罪専門のHP(https://www.npa.go.jp/cyber/)を開設したりするなど、その防止や捜査に力を入れています。ただし、デジタル証拠の複雑性から、この種の事件の裁判では、証拠調べや証拠の信頼性などの審議がどのようになるのか、手探りの状態であるようです。

2)龍谷大学 犯罪学研究センター
「犯罪学」(英:Criminology)とは、犯罪にかかわる事項を科学的に解明し、犯罪対策に資することを目的とする学問です。同センターは、2016年6月に発足し、同年11月に文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」に採択されました。これまで建学の精神を具現化する事業として、犯罪予防と対人支援を基軸とする龍谷大学ならではの犯罪学の創生に向けた研究と社会実装活動を展開してきました。

問い合わせ先:
龍谷大学 犯罪学研究センター  Tel 075-645-2184 Fax 075-645-2240
E-mail crimrc2016@ad.ryukoku.ac.jp    URL  https://crimrc.ryukoku.ac.jp/


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【チラシ】シリーズ勉強会「デジタル・フォレンジック鑑定と向き合うために」第2回公開勉強会「コンピューター犯罪の裁判事例」