2023.01.20
コンピュータセキュリティを維持するために必要なデジタル証拠の確保とは何か 証拠保全と解析、ハイテク犯罪の最前線 シリーズ勉強会「デジタル・フォレンジック鑑定と向き合うために」
第3回『デジタル・フォレンジックの「証拠保全ガイドライン」』
< 1/27(金)18:00-20:00 オンライン開催 Webから要事前登録>
登壇:大橋充直 氏(ヤエス第一法律事務所 弁護士)
【本件のポイント】
- 法科学の一分野である「デジタル・フォレンジック1)」についてまなぶシリーズ勉強会。
- 日本におけるデジタル・フォレンジックの普及啓発や、ガイドラインの策定を担う産学連携の団体「NPOデジタル・フォレンジック研究会」の知見を基に講演。
- 情報技術を用いた証拠資料の鑑定に関する知識を得るとともに、司法に適用する上でどのような理論的・実務的問題点があるかを考える機会に。
【本件の概要】
デジタル・フォレンジックとは、インシデントレスポンス2)や法的紛争・訴訟に際し、電磁的記録の証拠保全及び調査・分析を行うとともに、電磁的記録の改ざん・毀損等についての分析・情報収集等を行う一連の科学的調査手法・技術を指します。新型コロナウイルスの感染拡大以降、日本においてもデジタル・トランスフォーメーションが急速に進んだものの、この進展によって、不正や犯罪がデジタルの世界で行われることが増える可能性をも示唆しており、デジタル・フォレンジックに対する社会的要求は増しています。
今回の講師をつとめる大橋充直氏は、いわゆるコンピュータ犯罪捜査に精通した弁護士で、『ハイテク犯罪捜査入門』などの著書が多数あります。また、大橋氏が関わる「NPOデジタル・フォレンジック研究会」は、2004年の設立以来、デジタル・フォレンジックに関して、官公庁及び民間企業に対する啓発・普及、法学及び工学の学術的・国際的研究、海外の動向調査及びケーススタディ調査、ワークショップ開催などを行ってきました。
第3回の勉強会は、デジタル・フォレンジックの証拠保全や解析について、同研究会でまとめられた「証拠保全ガイドライン」を基にご講演いただき、さらに「ハイテク犯罪捜査」についてもご紹介いただきます。
1.実施概要
- 名 称:シリーズ勉強会「デジタル・フォレンジック鑑定と向き合うために」
- テーマ:第3回公開勉強会『デジタル・フォレンジックの「証拠保全ガイドライン」』
- 講 師:大橋充直 氏(ヤエス第一法律事務所 弁護士/NPOデジタル・フォレンジック研究会)
- 日 時:2023年1月27日(金)18:00-20:00 ※2022年11月から月1回、全5回開催予定
- 会 場:オンライン(Zoom)
- 参加費:無料 ※下記URLから事前申込制
- 主 催:龍谷大学 犯罪学研究センター3) - 司会進行:古川原明子 教授(本学法学部)
2.講師プロフィール・報告内容
大橋充直(おおはし・みつなお) 氏
ヤエス第一法律事務所 弁護士/NPOデジタル・フォレンジック研究会
昭和61年10月に司法試験に合格(41期)後、平成元年4月に検事に任官され検察実務の傍ら、ハッキング・テクニックとウィルスプログラムの研究を重ねる。その後、警察大学校や東京高等検察庁でハイテク犯罪の外部講師(平成12年6月~)を務め、法務総合研究所研究官(平成14年4月)を経て平成15年4月に検察庁の現場に復帰。平成16年、NPOデジタル・フォレンジック研究会(IDF活動:Institute of Digital Forensics)に参加し、通称“ハッカー検事”として精力的に活動。
令和3年12月、東京高検を最後に検事を定年退官後、弁護士を開業(第一東京弁護士会)。サイバー関連の原稿執筆や講演活動に加え、一般刑事事件やサイバー事件を担当している。
主な著書に『ハイテク犯罪捜査入門』(東京法令出版 2004年)がある。
報告テーマ:『デジタル・フォレンジックの「証拠保全ガイドライン」』
(1)犯罪に関連するパソコンやスマホなど情報機器の記録媒体の証拠保全と問題点
(2)記録媒体のデータやプログラムソフトの解析法と問題点
(3)トレーシングによる犯人特定の問題点
3.詳細・申込方法
以下URLにて詳細を確認のうえ、ページ内のフォームに必要事項を入力しお申込みください
https://www.ryukoku.ac.jp/nc/event/entry-11847.html
(第3回勉強会 申込期限:1/26(木)17:00)
4.次回以降の予定 ※時期や内容は変更することがあります。予めご了承ください。
- 2023年2月 第4回「音声・話者認識の現状」講師 :柘植 覚 氏(大同大学情報学部教授)
- 2023年3月 第5回「デジタル・フォレンジック鑑定の証拠能力」講師:徳永 光 氏(獨協大学法学部教授)
5.用語解説
1)デジタル・フォレンジック
法科学の一分野で、主にコンピューター犯罪におけるデジタル証拠の収集・保存・解析を行うことを「デジタル・フォレンジック」と言います(日本語では「デジタル鑑識」と言うこともあります)。警察庁はインターネットが社会、経済上、普及した平成23年に「警察白書」でサイバー犯罪対策に関する特集を組んだり、サイバー犯罪専門のHP(https://www.npa.go.jp/cyber/)を開設したりするなど、その防止や捜査に力を入れています。ただし、デジタル証拠の複雑性から、この種の事件の裁判では、証拠調べや証拠の信頼性などの審議がどのようになるのか、手探りの状態であるようです。
2)インシデントレスポンス
コンピュータやネットワーク等の資源及び環境の不正使用、サービス妨害行為、データの破壊、意図しない情報の開示等、並びにそれらへ至るための行為(事象)等への対応等を指します。
3)龍谷大学 犯罪学研究センター
「犯罪学」(英:Criminology)とは、犯罪にかかわる事項を科学的に解明し、犯罪対策に資することを目的とする学問です。同センターは、2016年6月に発足し、同年11月に文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」に採択されました。これまで建学の精神を具現化する事業として、犯罪予防と対人支援を基軸とする龍谷大学ならではの犯罪学の創生に向けた研究と社会実装活動を展開してきました。
問い合わせ先:龍谷大学 犯罪学研究センター Tel 075-645-2184 Fax 075-645-2240
E-mail crimrc2016@ad.ryukoku.ac.jp URL https://crimrc.ryukoku.ac.jp/